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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

「効果的な活用」って何?

ピリッと冷たい空気の日が続いている。そのおかげか、夜の星や、朝晩の朝焼け、夕焼けがとても綺麗で目を奪われる。来週はさらに寒さが増すらしく、いよいよ冬の到来だ。気づけば今年もあと少し。残りも走り切って終わりそうだ。


今週も出張続きで、そして来週もまたいない日が多い。こっちにいる間も隙間なく動いていて、頭を切り替えるのが大変だ。今週は43歳の誕生日を迎え、たくさんの人に祝ってもらって感謝です。その日もほとんど家にはいなかったけど、幸せだった。ありがとうございました。この1年も頑張ります。





さて、色々なところで、iPadに関しては実践が上がり始めてきた。この時期、全国どこでも研究会が開催されていて、いろんな先生たちの指導案の作成に関わったり、実際の授業を見てコメントを求められる仕事が多い。GIGAスクールがスタートした今年、半年以上が経過して、先頭集団にいる先生たちの実践が充実してきた。


これまでのICTの研究と大きく異なるのは、「先生」の活用にスポットが当たらなくなってきたことだ。これまでの授業の中での使い方は、そのサービスの有効的な活用や、先生個人のスキル、見せ方が素晴らしい、ということになりがちだった。環境が不十分な中でおこなってきた研究は、あくまで「教師が」ということで語られることが多く、そのためのスキルアップ研修がほとんどだった。


もちろんそれを否定するものではなく、授業を構想していくときには、そもそもどんなことが実現できて、何ができないことなのか、それを知らないことには構想を立てることもできない。だから先生たちのスキルアップはある程度は必要だ。





そんな中で、一番よく聞くフレーズが「効果的な活用方法を教えてください」というものだ。今回の端末整備では、基本的には端末は子どもたちのもので、家庭での活用、社会教育の領域、地域での活用も視野に入れていて、多くの自治体で「文房具のように使いこなす」ということが謳われている。


では「効果的な活用」とは一体誰にとっての話だろうか。ここでイメージされている効果的な、というのは、あくまで「授業というストーリーの中で、教師の都合上効果的な」という意味合いに聞こえてしまう。


効果的かどうかは、使用する側が決めることで、そこに効果があれば使うし、ないと判断すれば使わない、そういう単純な話だ。「効果があるだろうから使わせる」というのは教師の判断だと思うし、それは子どもたちが主体ではない。ということはその評価は子どもたちに聞くのが一番正しいだろう。



使わない方が効果的な授業だったならば、そもそも使う必要のない問いや課題だった、ということだ。文房具のように使うならば、そのタイミングや使い方も委ねるところまで求めていくべきではないか。そして使わないと解決できない課題や、使いたい、と思える授業デザインを研究する必要がある。





反対に「教師」が主語になった使い方については、大いにみんなで議論するべきだし、子どもたちの時間を確保するため、課題をしっかり掴み、理解するための使い方についてはしっかり学ぶべきだ。


先生がネガティブに捉え、躊躇していると子どもたちは忖度し、自由に使えないし、その創造性を奪ってしまう。得意ではないけど、懸命に学ぶ姿、チャレンジする姿を見せれば、きっと子どもたちは助けてくれる。その一歩が踏み出せるかどうかがこれからの方向性を決める。そのためには先生たちの横のつながりやコミュニティの存在は大きい。互いに刺激を受けながら、子どもたちのためにチャレンジできるよう、下支えをしたいと思う。

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