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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

「好き」を探究する

年度末が近づいてきて、異動の連絡が少しずつ入ってきている。人事異動に一喜一憂しなくなってから6年目になる。いろんな人の動きを見ているととっても興味深い。ジョブチェンジする人、公立から私立へ動く人、違う道を選択する人、昔に比べて多くなっている気がしている。仕事を辞めるのは大きな決断だけれど、モヤモヤしながら働き続けることも結構辛い。思い切って飛び出してみるのも家族の同意があればいいのかもしれない。三寒四温だけどようやく春も少しずつ近づいてきている。久しぶりのブログの更新だ。



1年間でちょっとだけ時間が取れるのは3月、4月のこの時期だ。自分の中でもインプット多めの毎日を過ごすことを心がけている。そんな中、いくつかの学校にお邪魔させてもらう機会があって、ちょっとだけ思うことがあったのでブログに書いてみようと思う。




学校には「探究的な学び」「課題解決型学習」「PBL」など色々あるが概ねその趣旨は似ていて、課題を解決していくスタイルの学びが推奨されてずいぶんになる。一方でその学びに入るまでには「基礎的、基本的な知識技能」が絶対に必要だ、という人も多く、いわゆる教科の学びが先にあり、多くの時間を割いたその先に、いかにもやってます、的なそれっぽい探究的な学びの様子がある。


探究的な学びをしている時間は、どこかガチャガチャしていて、学びの様子を見ても、はっきり個別の学びの様子を看取ることが難しく、そのプロセスに寄り添うことは一人の教員では難しい。個で取り組むにしても一人一人の課題設定から探究のプロセス、そして考察やまとめ、発表、となると難易度はどんどん上がってきて、敬遠されがちになるのもなんとなくわかる。


経済産業省から出されている「未来人材ビジョン」の中で私が好きなところがある。


これから求められる人材像


常識や前提にとらわれず、ゼロからイチを生み出す能力

夢中を手放さず一つのことを掘り下げていく姿勢

グローバルな社会課題を解決する意欲

多様性を受容し他者と協働する能力


まさにこの中にある「夢中を手放さず一つのことを掘り下げていく姿勢」これが探究に求められているのではないだろうか。以前ブログにも書いた「博士ちゃん」のような探究心がとっても大事だと思う。SDGsや地域課題、社会問題、環境問題、グローバル、などの大人が考える素材の枠組みがあって、その中で無理やり課題を探し、なんとなくネットの情報で探究し、SNSを使って世界に発信しました!というまとめの発表では、本当の意味の学びにはなっていないと思う。





もちろん興味を持つきっかけにはなると思うけど、とにかく子どもたちが意欲的に探究してきていないので、発表の時の熱量が低い。話す側の熱量が低いので当然聴く側もぼんやり聴いている。質問など互いに出ることもなく、淡々と進んでいく。もちろんICTは使っているけど、使っているだけに過ぎない。


ある小学校での探究発表会は本当にテーマが自由で多様だった。小学校低学年の子でもその興味にとことん大人が寄り添い、伴走しながら取り組んできた1年間が見えた気がした。そして何より「伝えたい!」という熱量や想いの強さが感じられたので、質問や感想も自然とバンバン出てくる。自分たちも探究しているからこそ、相手への敬意もあるし、何より興味をそそられるのだ。


もちろん多くの時間も使っているし、大人がサポートできる仕組みもしっかり整えている。学校全体でそれを軸に取り組むフレームもある。でも工夫次第で公立の学校でも十分できるのではないか、という可能性を感じた。毎年の積み上げの効果も大きく、前年よりもさらに深いとこまで同じテーマで探究している子も多くいた。それぞれが博士ちゃんのように得意げに話していたのがとても印象的だった。





インドネシアで見たPBL中心の学びの日本版のようなロールモデルがそこにあった。子どもたちの「好き」というモチベーションを生かしながら学びを進めていくのはとても大切なことだし、何より楽しく学ぶことができる。知識をつけていくことは代替できる可能性があるけど、関わりの中で学んでいったり、誰かの好きをじっくり聴くことは一人ではできない。それぞれの興味の違いを知ることで関係性が深まることは絶対にある。


学校での学びの中でもっと子どもたちの「好き」にフォーカスしてもいいのではないだろうか。そのためにもまず先生たちの研究もそれぞれの興味関心、好きに合わせた探究型に変え、探究のサイクルをどう回していくか、何を使って表現するか、学び方を体験し、実感し、言語化、モデル化していくことが大切だと思う。子どもってすごい、と改めて感じた1日だった。



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