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執筆者の写真Toshihiro Doi

かわらないこと

旅人生活もこの一週間はちょっとおやすみして、家のことや田んぼのこと、庭仕事などに精を出した。暑くてフラフラになりながら、この時期の草と格闘の日々だった。台風も直撃したがさほど大きな被害もなく、自宅でゆっくり過ごせたのもよかったかもしれない。おかげさまで田んぼの稲たちもスクスク育っていて、背丈が随分伸びていた。雨にも風にもこの猛暑にも負けず、植物たちは生きようとしている。


私の現在の住まいは別府市のお隣、日出町だ。しかし、お盆や正月は主に別府で過ごす。毎年お盆には15日に供養盆踊りが開催される。私も結婚してから15.6年ほど欠かさず参加しているが、それがまたなんともいい感じなので、今回はそのことを書いてみようと思う。



もともと別府駅の裏側で、商店街のその地区は、色々なお店が古くからあり、つながりの深いエリアだと思う。私ですらよく知っている顔がたくさん並ぶ。毎年同じ8月15日に行われ、会う人たちがいて、声をかけてくれる。電線には提灯が飾られ、別府の盆踊り保存会の人たちが太鼓をたたく。時間になるとなんとなく人が集まり、音に合わせた元気のいい太鼓で始まる。曲は3.4曲しかないが、どれも馴染みの曲で、毎回同じパターンで大きな楕円を描いて踊りながら回っていく。



うちの子どもたちも、ちゃんと参加して踊りを覚え、今ではすっかり踊れるようになっている。踊りの途中には休憩があり、アイスが配られる。その束の間の休息に、近所の人たちがおしゃべりし、楽しい時間を過ごす。踊り終わった後は、配られたうちわでの抽選会。いつものおじさんがマイクを持って、番号を読み上げ、その結果に一喜一憂する。うちは20人以上も親戚が集まり、参加しているので、たくさんの景品が当たる。




同じ光景を何度もなんども繰り返してきて、きっと私が知るよりもずっと前から変わらないんだと思う。8月15日に行われるこの供養盆踊り、なんだかんだで私は大好きだ。イヤな思い出を踊って忘れる。私の同級生が亡くなった年の盆踊りで、なんだか涙が流れてきたこともあった。変わらないことの安心感や良さを感じる。


変わっていくことの大切さと、変わらないことのよさ。

教育の世界でも同じで、変わらないことのよさもどこかであるのかもしれない。変化の時代にあるからこそ、変わるべきものと、変わるべきではないものを見極めることが必要だ。不易と流行という言葉もあるが、大切なことは子どもたちのこれから、未来だ。そのモノサシを見誤ることなく、社会全体で、判断していくべきだ。




手段と目的、何をめざしているのか、どんなことを大切にしたいのか、徹底的に対話し、議論し、精選し、結果を出していくことが大切だ。その結果が変わらなかったとしても、そのプロセスがあったことで意識は確実に変わる。みんなで考え、最適解を導くことこそが価値がある。子どもたちにもそんな姿を見せることで、何かを伝えられるオトナでありたい。



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