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執筆者の写真Toshihiro Doi

それぞれのペースで

ようやく春がやってきた。毎日ポカポカと暖かく、通りの花たちも一斉に咲いている。我が家の花や木も新芽が出たり、花が咲いたり、見ていても楽しい。三寒四温というが、このまま暖かさが続いてほしい。





昨日は3.11、11回目の祈りの日だった。11年前は5年生を担任していて、その年に採れたお米を老人ホームに子どもたちと届けに行っていた。教室に戻ってテレビをつけ、子どもたちとその光景に驚き、沿岸沿いの学校だったため、校長先生とパトロールに出かけたことを思い出す。


その翌年は、子どもたちと防災についての探究学習を進め、その地域で起きた、50年前の水害について深く学び、考えることができた。学び続けること、伝え続けること、風化させないこと、毎年考え、心に刻む。いつまた災害が起きるかはわからないが、その思いは繋いでいきたい。


学校でも卒業や入試の日程が進み、いよいよ年度末が近づいてきた。私の研修の波も少し落ち着き、今週は県内のいくつかの自治体を訪問することができた。コロナ禍になり約2年、私たちの生活も、学校の様子も、これまでの当たり前も変わってしまった。GIGAスクール構想はどんなふうに進んでいるだろうか。





全国のいくつかの自治体と、次年度に向けて課題の洗い出しをおこなっている。1年経過したことで、それぞれの差は大きい。大きく分けると環境面での課題と、利活用面での課題がある。


環境の面ではちょうど年次更新をどう進めるか、という時期になり、1人1IDをどう捉え考えていくか、ということが話題になる。アカウントが人ではなく端末に紐づいている場合、年度更新でそのデータをどう取り扱うか、実質初めての更新のところがほとんどで、うまく構築して考えられているかどうかによって分かれてくる。


あとはネットワークの問題だ。接続方法の変更や、キャッシュサーバーなどインフラにかかる負荷をどう分散させ、快適な状態を維持するか、教室の変更やグラウンド、体育館などの場所をどうするか。他にも家庭での接続の問題もあり、なかなか進めない現状がある。


利活用面でも、人によって大きく差が出ていて、子どもたちの使用も制限をかけたり、そもそも使えない状態になっていることも多くある。研修を組むための予算や日程、開催の形態など悩ましい課題も多い。


操作研修をしてもすぐに授業に変革が起こるわけではなく、イノベーターやリーダーの育成をしていくには時間もかかるし、そこをファシリテートできる人材も不足している。マインドセットの変革には丁寧なアプローチと時間が必要なのだ。


学校に対してのサポート人材も枯渇している。それぞれの現場を支援するための人や、教育委員会の中で協働しながら進めていく人材、そのピースも足りていない。






書き出したら止まらないくらい課題は山積している。現場の先生たちと話していても、コロナの対応だけでも手がいっぱいで、とにかく元気で学校に通えているだけで奇跡、という状況だという。


しかしそんな中でも、確実に時間は経過し、活用のフェーズも、環境面も、進んでいることは間違いない。子どもたちがのびのびクリエイティブを発揮し、楽しそうに学ぶ姿も多く見られるようになってきた。先生たちの新しいコミュニティもたくさん生まれ、変わろう、変わりたい、と願う先生も増えてきた。教育委員会からの発信も増え、連携しながら進めようとする動きも出てきている。これまでとは大きく潮目が変わってきている。


このうねりをもっと大きくしていくためには、それぞれがつながり、情報を交換し、対話を重ねていくことが必要だ。難しい課題はたくさんあるけど、それぞれが今どんな位置にいて、どこに向かおうとしているのか、先生も、学校も、委員会も、私たち企業も、じっくり考え、次の一年に向けて備えたい。


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