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執筆者の写真Toshihiro Doi

グラデーションをつけて

毎日暑い日が続く、猛暑、酷暑に加えて各地で大雨の被害が相次いでいる。関東や東北の方で大雨の被害が出るのを見ていると、心配と同時に耐性についても考える。やはり九州は台風に対する耐性や慣れはあって、大雨にもある程度対応できるような気がするが、そもそもそういう大雨が降る想定にない地域では、災害に直結するのではないだろうか。


気候が変わり、日本全体が亜熱帯のようになってしまっている。今週も京都に長く滞在していたが、辛い暑さの毎日だった。こういう時は海に浸かってのんびりしたい。





夏の研修は変わらず進み、毎日いろんな種類の研修を実施している。操作研修もあれば、情報モラルやセキュリティに関わる研修、講演会的なこともあるし、長期的な人材育成の研修も続く、それと並行して実施に向けたミーティングも重ねていくので、隙間を塗りつぶすようにスケジュールは埋まっていく。


活用や整備の段階も少しずつ変化が起きていて、グラデーションが出てきている。操作の研修もまだ行っていない自治体もあれば、運用につまづいている状態もある。一方では毎日のように多くの先生や子どもが使用していて、その次のイノベーションを起こすための人材育成をしたい、と願っている自治体もある。


研修や人材育成を実施する側としては、毎回その状況を丁寧にヒアリングし、そこのニーズに少しでも近づけられるようなものを提供したいと思っている。担当者や指導主事の分析も必ずしも合致しているわけではなく、受講者の中にもモチベーションの差やスキルの差がある。それぞれの事情を抱えて集まった多くの人たちに満足してもらうことは、なかなかハードルが高い。





学校の教室も実は同じで、たまたま集まった、同年齢で同じ地域に住む子どもたち、さらにその中で同じ学級に振り分けられた子どもたちが、一様に同じような能力や考え方を持ち、そこにいるわけではない。「〇年生らしい」というのは大人の勝手な決めつけだ。子どもたちにもそれぞれ家庭があり事情がある。そしてそんな背景と共に、その子自身の個性やキャラクター、能力があるのだ。


それを同じようなテキストを使い、ある一定のところまで全員の能力を高めていく。そもそもそれ自体が無理難題なのだ。「個別最適な学び」はある意味必然で、当たり前なのかもしれない。それぞれの興味関心は違うし、資質や能力が異なっているならば、その子に合った学びの姿はきっとあるだろう。


そしてその個性や能力を、重ねたり集めたりしながら違いを認め、良さを汲み取りながら課題を解決していくのだ。それが「協働的な学び」の姿だろう。それぞれの子どもたちが幸せを感じ、自分らしさを認めながら前向きに生きていくことは何よりも尊く、重要だ。





長期的に同じメンバーの先生たちと、オフラインやオンラインで関わっていくと、ある種の学級経営をしているような気持ちになることがある。そんな集団が全国各地にあって、それぞれの先生たちと関係性を作っていると、そのグラデーションを認め、受け入れ、前に進めていくことの大切さを感じる。


個別最適な学びや協働的な学びの実践を、研修を通して伝えていきたい。伴走者としての距離感や言葉のかけ方、授業中の立ち位置など、私も変容しながら一緒に考えていける場を作っていきたい。変化することは難しく、一歩を踏み出すことは容易ではないけど、一緒に考え、チャレンジを応援し、全体として日本の教育を前に進めていきたいと思う。

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