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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

コミュニティを創る

夏休みに入り、連日研修の波に飲まれている。こんなに暑いのに先生たちはゆっくり休むこともままならず、連日研修や会議に追われている。子どもたちがいない分少し気は楽になるけど、それでもゆっくり休めてないように思う。疲弊した先生たちを見ていると、思い切って1ヶ月何もなく、しっかり休めるような仕組みを取り入れてもいいと思う。

さて、相変わらず全国各地にお邪魔していろんな人と出会う日々ではあるが、先週から今週にかけて一つ大きなヤマを超えた気がするので書いてみようと思う。




ここ数年の研修は、さまざまな形がある。従来通りのiPadの操作研修もあれば、情報モラルやデジタルシティズンシップの研修もある。それに加えて少し授業の実践に寄せた内容にしてほしい、というオーダーも多い。


一方で、ICTも含むけど、メインではなく、そもそもの授業デザインの変革を求める研修や、先生そのもののマインドセットの変革を促すような研修、その自治体の若いリーダーたちを育てるための研修のリクエストが一番多い。しかもそれは単発の講演会などではなく、長期間にわたって伴走し、新しい授業を創出できる人を育てていく研修だ。


数年前から始めたこのタイプの研修だが、当時はコロナ禍でもあり、集合研修そのものも難しい状況で、オンラインでの実施も強いられていた。連続研修の中の数回はオンラインでの実施になった。先生たちや私の移動にかかるコストやエネルギーは無くなったけど、難易度はぐっと上がった。伝える内容もうまく伝えられず、双方向でのやり取りの難しさ、空気を掴んだり、熱量を上げていく話し方など1年くらいはもがいていたように思う。




そのうちになんとなくできるようになり、オンラインでの自分のテンションの上げ方や伝え方の工夫ができるようになった。その育成の時間軸も半年で1クール、年間で2クール育成した自治体もあれば、1年間で、2年間で、とそのスパンは様々だ。その期間によっても熱量に若干の差が出る。何より大きいのはその教育委員会のスタンスや熱量だ。それによって先生たちの本気具合にも差が出る。


教育委員会全体で、その人材育成にどれだけ人とエネルギーをかけているのかによって、先生たちの様子にも違いが出ることもわかった。そうやって数年間関わってきた自治体が次のフェーズに入ってきた。それがコミュニティの創出だ。育てられた先生たちは認定を受け、現場に戻っていく。そのまま現場で創造的な授業を生み出し続ける先生もいれば、立場が変わったり状況が変わったことで難しくなる先生もいる。


何より研修直後のやる気やモチベーションは徐々に下がっていく。さらには広域の異動によってその自治体を離れてしまうことも多い。そんな中、その自治体に残る育成後の認定を受けた先生を一堂に集めたコミュニティを作ったのだ。まさに「大同窓会」だ。


先生たちは研修後の自分の実践や悩みを持ち寄り、ひたすら対話を重ねていく。パネルディスカッションで全体での学び、そしてこれからの決意を語るアウトプットの時間。どの時間もとても充実していて、先生たちのこれまでの頑張りがよくわかった。そして何より楽しそうな先生の様子に嬉しさもあり、ホッとした気持ちもあり、自分もじんわり感動した。


これまで一緒にこの研修を作ってきた教育委員会の方々も、きっと同じ気持ちだったと思う。私の知らないところでたくさんのフォローや先生たちへの励ましを続けてきたのだと思う。そういうサポートや互いの信頼関係が築けたことも、この大きな成果につながっていると思う。




イノベータ、アーリーアダプタの彼らが、これからこの自治体のマジョリティになっていく。全体の2割の人材が育った今、一気に大きな変革が起きることは間違いない。子ども主体の授業を創っていくための伴走者としての教師のあり方、デジタルアウトプットを考えた授業デザイン、課題はまだまだたくさんあるけれど、思考と対話を繰り返しながら共に成長していけるコミュニティを生み出せたことの成果は大きい。育てた人材、育成した人材を大切にし、子どもたちのために変化し続ける体制を整えていく。次のフェーズはきっとこんな感じになるのかな、と感じた1日だった。


さて、大きな仕事が連発の夏休みだけど、明日からマレーシアに行ってきます。昨年のインドネシアに続いての教育視察ツアー。今年も全国の素晴らしい先生たちと手作りの旅、いろんな学校を見て、みんなで対話し、自分の中に取り込んできます。
その様子はまたブログで・・
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