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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

スキルとマインドセット

澄んだ空気の毎日が続いている。朝から海が真っ青で、朝焼け、夕焼けもびっくりするくらい綺麗な日が多い。雨もあまり降らず、冷たいけどカラッとした空気は、ちょっといいな、と最近思う。寒いのは苦手だけど、海や空の綺麗さを考えると悪くない。


今週はずっと県内にいて、県内の自治体の仕事をたくさんこなした1週間だった。大分はとても広いので、時間的には都内まで飛行機で移動するのと、あまり変わらない。ずっと車を運転している時間も長い。意外と雪も積もるので、冬用タイヤにもようやく交換できた。





今の学校の様子は、都内だから進んでいるとか、地方だから遅れている、ということは実は全くない。この4月から始まったGIGAスクールは、全国ほぼ一斉にやってきたので、状況にあまり差はない。場所というより、人の熱量や、かける予算、描くビジョンによっての差は少しずつ生まれつつある。


端末を使った授業をデザインしていくときに、まず思いつくのは、「先生たちのICTスキルを向上させねば」という考え方だ。それは確かにそうだと思う。そもそも、これが一体どのようなもので、どんな特性を持ち、何ができて、何ができないのか。全てではなくとも、なんとなく理解はしておく必要がある。


道具の使い方や方法を知らないまま扱うことは難しい。「ではそのために研修だ!」という順番になる。電源の入れ方から、持ち方、写真の撮り方など、基本的な研修から、アプリの使い方、特性など研修も段階的に行なっていけば、かなりの時間と分量になる。そしてそれを実施できる人たちは、まだそんなに多くない。





そして次には「授業での具体的な実践事例を!」となる。使い方はわかったけど、授業での活用のイメージが湧かない、と多くの先生たちが言う。「だから事例をください」となるのだ。そしてここまでの一連の流れが終わると、行政としては仕事を終えたことになり、あとは現場の判断になる。する、しない、使う、使わないの選択は、その人に委ねられる。


つまり子どもたちが、使えるも使えないもその先生の判断になるのだ。これで「文房具のように使いこなして欲しい」と子どもたちに願うのは、非常に難しい。そもそもスキルアップは、懇切丁寧に指導されるべきものなのだろうか?ネットにあるデジタルブックや、動画などで自学できないだろうか。


子どもたちに毎日課される「自学」。一番苦手なのは先生たちかもしれない。誰かが享受してくれないと、と待っていないだろうか。今変えるべきはそんなことも含めた「マインドセット」だと思う。研修をしてもらわないと使えない、授業とはこうあるべきだ、指導者としてこうありたい、いい授業とはこうだ。こんな私たちの固定概念や先入観、価値観を変えていくことが今求められている。





マインドセットはなかなか変えることが難しく、1人でチャレンジを続けることは大変だ。だからこそ、研修を通じて、サークルを通じて、コミュニティの中で、対話と思考を継続させながら、少しずつ解きほぐしていくしかないのかもしれない。


この数年、多くの先生たちのコミュニティができている。メーカーや企業が主導しているものもあれば自分達で立ち上げたものもある。セミナーの数もとても多く、オンラインでどこにでも参加できる。そんな同志が集まるコミュニティの中で、これから先の未来をもっと前向きに語り、自分の立ち位置を確かめながら、それぞれがチャレンジを続けていけたらいいな、と思う。そしてそれが勤務時間の中で、公的な研修で、できるような環境も整えていきたい。



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