top of page
執筆者の写真Toshihiro Doi

テクニカルスタッフ

先日の雨で一気に桜の花が散り始め、黄緑色のきれいな葉が出始めている。チューリップがあちこちできれいに咲いていて、散り始めの桜も加わって、とってもきれいな景色だ。気温もぐんぐん上がってきて、20度を超える毎日、なんと早くも台風が発生したらしい。


学校がいよいよスタートした。多くの学校は今週、来週と始業式、入学式だと思う。我が子達もそれぞれ新しいステージで頑張っているみたいだ。異動があった先生、教育行政職に新しく入った人たちは、慣れない仕事も多く、本当にこの時期は大変だろうと思う。焦らずゆっくりスタートしてほしい。





昨年度より、ある自治体に対してうちの会社から「テクニカルスタッフ」を派遣している。国では2016年の1月に、いわゆる”ICT支援員”と言われる職に対しての資料が出されている。その中の業務にはこんな記載がある。


<ICT支援員の具体的な業務> ●機器・ソフトウェアの設定や操作、説明

●機器等の簡単なメンテナンス

●機器・ソフトウェアや教材等の紹介と活用の助言

●情報モラルに関する教材や事例等の紹介と活用の助言

●デジタル教材作成等の支援 等


かなり多岐にわたる上に、GIGAスクールで圧倒的な端末の数になり、しかも管理・運用もMDMなどの煩雑な操作に対してのサポートをしなくてはならない。その後、「教育の情報化に関する手引-追補版-(令和2年6月)」の中でも具体的な内容について触れられている。この資料の第8章2節を見るとかなり業務内容が増えていることがわかる。そしてさらに昨年には『情報通信技術支援員』という名称に変更されている。


現場では感染症の対策をしながら、GIGAスクール構想も動いていて、本当に余裕や余白のない現実があり、ニーズは明らかに高まっている。そんな中で昨年度、新しいチャレンジとして「テクニカルスタッフ」という名称で昨年度より進めてきた。





これまでのICT支援員は、概ね個人の担当校があり、学校に常駐し、時間や回数に応じて賃金が支給されていた。訪問日数は決まっているので、たとえば、夏休みなどでほとんど教職員がいない中でも、訪問し、雑務を探したり、ずっと机について時間を潰していた。しかもかなり低い水準の賃金で。


これだけ特殊なスキルが必要な上に、学校の中に入り、先生や子どもとコミュニケーションをとりながら、黒子のように支援をしているにも関わらず、待遇はとても悪い。それらの課題を解消するために、考案したのがテクニカルスタッフの仕組みだ。


ざっくり説明すると、前の週に翌週のリクエストをフォームやメッセージグループを使って依頼をし、それをこちらで調整した上で、そのサポート内容に対して見合ったスキルを持つ担当者を決め、電話等での打合せののちに、授業の支援に入る。ミッションが完了すれば学校を出て違う学校のサポートに向かう。


こうすることによって、1人が1日でいくつもの学校をサポートすることができる上に、先生たちがほしい時に必要なサポートが受けられる。先生たちが、訪問に合わせて進度を調整したり、無理やり仕事を作る必要がない。賃金についてもサブスク型で固定で支払っているので、本人たちの生活にも不安はなくなる。





1年目を終え、いくつか課題も見えてきて修正をし、今年度5名に増員してスタートを切った。最適な形、と断言できるものにはなっていないが、最低でも働くスタッフは自分の仕事に誇りとやりがいを持ち、子どもたち、先生たちのために全力で頑張っている。全員主婦なので家事や子育ての事情も考慮しながら振り分けているので、負担にはなっていない。ICT支援員の仕事を長く、元気に続けていくためには働きやすい環境と、適切なスキルアップの仕組み、やりがいを感じられる賃金が必要だと思う。


こうやって、トライ&エラーを繰り返しながら最適解を見つけている最中だ。それは授業作りやICTの利活用でも同じで、一歩踏み出しチャレンジをするから見える景色がある。今までの仕組みや、成功体験に縛られることなく、まず一歩踏み出してみて思考する。子どもたちにそんな力を求めるのであれば、わたしたち大人も、どんどんチャレンジしていきたいし、そのチャレンジを応援したい。

閲覧数:193回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page