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ニュージーランド教育視察で見えた「生きるための学び」学校視察編①

  • 執筆者の写真: Toshihiro Doi
    Toshihiro Doi
  • 4月11日
  • 読了時間: 4分

春の嵐がひどく、せっかくの桜も一気に散ってしまった今週。学校現場でも怒涛のような毎日だったと思う。始業式、入学式、年度初めはとにかく目がまわるほど忙しい。ようやく迎えた暖かい週末、ちょっと休んでまた少し元気になってほしいな、と思う。


今回はいよいよニュージーランドでの学校視察の様子をお伝えできれば、と思う。大都市オークランドから国内を1時間の飛行機移動、ニュープリマス、という地方都市へ向かった。着いたら現地に住む日本人の方が出迎えてくれ、早速学校へ向かう。



1校目はINGLEWOOD HIGH SCHOOLという学校だった。田舎町の小さな学校ではあったが、とてもあたたかく出迎えてくれ、静かで落ち着いた学校を案内してもらった。学校では選択科目がたくさんあり、木工や鉄の加工、デジタルものづくり、ジュエリーの作成まで、いろいろな選択科目が用意されていた。


ニュープリマスは自然豊かなエリアで、中でもシンボル的な「タラナキ山」という2518メートルの富士山に似たとても形の綺麗な山が、どこからでも見える。その自然を生かしたアウトドアプログラムがたくさん用意されていた。セイリング、ブッシュクラフト(自然の中で生活するための技術)、マウンテンバイク、登山やサーフィン、ラフティングなどがあった。安全第一の日本では絶対にあり得ないプログラムも用意してあって、生徒たちは楽しみにしていて、生き生きと活動していた。



見学した授業ではお金の勉強も探究的に行われていた。日本から来ている留学生の子どもたちとも話す時間があった。いろいろ話を聞くと、教科の学習内容はとても簡単で、誰でもできる。アウトドアの授業や、ものづくりの時間は楽しい、何より日本より自由があってのびのびできる、と言っていた。教科学習より、いろんな活動、体験の場や選択肢が多く用意されている印象だった。


そのまま次の学校への訪問へ向かった。フランシスダグラスという名前で、日本にもあるラサール高校の系列の学校だ。昨年訪れたフィリピンでも同じ系列の学校に訪問したので、その旨を伝えると、世界中にラサールの兄弟校があることもわかった。そこは男子校で小学校から高校までが同じところに通う。 80%以上の子どもがスポーツをしているらしく、とにかく施設が広大で、グラウンドだけでもその辺にある公園よりも広い。ラグビー場、サッカー場、クリケット場、テニスコート、ジム、フィットネスセンター、50mプールなど、 なんでもあり、全てが綺麗な天然の芝生だ。



それに加えて農場もあり、35エーカー(42840坪、141645平方メートル)という途方もない広さだった。生徒たちはとてもフレンドリーでどの子も笑顔で手を振ってくれる。スポーツで体を動かすことや、農場で野菜を作ったり、家畜のお世話をしたり、木を育てて加工したり、アートやテクノロジーに触れたり、とても多様なプログラムが用意されていて、子どもたちの学びの場としては充実しすぎている学校施設だった。掲示物や校内のあらゆるところにさまざまな工夫と配慮がしてあり、弱視の子どものために、施設に色を塗っていたり、黄色で危険箇所を知らせたり、校長先生の案内で校内を見学したが、その言葉の端々に、子どもたちを大切にしている想いが伝わってきた。



"Student"ではなく、"Boys"と呼んでいたのもなんとなく好感が持てた。ラグビーなどスポーツでも優秀な成績を収めていることもあり、現地の人気校になっていた。お土産に生徒たちが作ったハチミツをもらったのも驚いた。


二つの学校を訪問して感じたことは、教科学習の学力を高めることよりも、農業や、ものづくり(デジタルも含む)、お金についての学習、自然体験など、体を動かしたり、命に触れたり、実際に感じることのできる学びが、とても重要視されていることに気がついた。学校の外で生きていく上で役に立つ学びや、田舎のニュープリマスで生き抜くための知恵を、学校教育の中でしっかり身につけていくことの大切さを学んでいる。


そのまま学びを深めたい子は大学に進学し、そうではない子はすぐにそのまま働くことができる。そのくらい選択肢があり、そのどれもが中途半端ではなくホンモノの学びの場になっていた。日本で言われている「生きて働く知識・技能の習得」とは教科の学びだけではなく、実際に自分で体験して得られるものではないか、と改めて痛感した1日になった。早い段階で自分を見つめ、自分の興味関心、得意なこと、好きなことを没頭してできる、素晴らしい学びの環境がそこにはあった。

 
 
 

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