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執筆者の写真Toshihiro Doi

ハードルを少し上げる

今週も寒い日が多かったが、来週はさらに大きな寒波が来るらしい。朝晩の散歩もしっかり防寒していても、ピリッと冷たい空気が刺さる。早くこの辛い冬が終わって、春が来てほしい。今週は県内でたくさんの打ち合わせ、そして大阪方面への出張だった。今週からしばらく出張が毎週続く。インフル、コロナにかからないように元気に過ごしたい。


学校も1月後半で、そろそろ年度末が見えてきた。卒業、学年末シーズンは慌ただしい。行事も多く、あっという間に終わってしまう。私も年間通してのいろんな研修が少しずつ終わり、次年度に向けての相談がスタートした。いい形で今年度を終えていきたい。





さて、今週も多くの授業を見る機会があった。数年前とは違い、授業を組み立てる時に考えなければいけないポイントも増えてきた。特にGIGA以降はICTをどう使うか、ということを念頭に授業をデザインしていく必要がある。しかしそんな中でも、頑なに使わない、使わせない授業も多く目にすることがある。


そんな授業を見ていると、確かにこの授業であれば必要ないな、と思うことも少なくない。これまでずっと長い期間続けてきた授業の展開に変化がなければ、あってもなくてもさほど支障はない。淡々と先生が喋り、資料を見たり、板書をしたりし続けている授業にICTは必要ないからだ。子どもたちは言われた通りに黒板の文字をノートに写し、練習問題を解いたり、短時間で隣の人と相談したり話したりする授業には、ICTの出番はない。


そんな授業では、たとえば何か調べるとしても、先生の指示で決められたことを調べ、時間を区切って活動は終わる。同じように、決まった被写体で似たような写真を撮ってきたり、同じアプリを使って雛形のようなものでスライドを作ったりする。例えICTを使っていても全ては先生のハンドリングで、管理統制の元、絶対に安全なことしかしないのだ。





例えば「読んだことのない人に、物語のあらすじを説明する」という課題に対してどうアプローチするか。物語を読んで場面のあらすじを個人で考え、少人数で共有し、ノートにまとめ、それを写真に撮って全体共有し、一斉にみんなの意見を見て、授業を進めていく。一見、個の学び、グループでの対話、全体共有でのICT活用、いい授業のように見える。しかしそれは、あくまでこれまでの一斉講義型の授業に、少しの対話とICTを組み込んだ、というだけだ。子どもたちの創造性やオリジナリティ、表現力を育成することは難しい。


「物語の面白さを伝えるために30秒の動画を作成しよう」としたらどうだろうか?その物語を読み込み、自分が心を動かされた部分を見つけ、それを端的にまとめ、言葉だけではなく音や写真、イメージで伝えることができる。その過程で作成方法を模索したり、友だちの動画を見ることで、感じ方の多様性に触れることができる。





同じような内容でも、アプローチの仕方を少し変えることで、授業は一気に変化する。子どもたちはその課題にワクワクし、活動は活発になるだろう。ICTが入ったことで、できることは圧倒的に増えている。その授業の本質をつかみ、つけたい力は何か、どんな課題を持ってくれば子どもたちの創造性が発揮されるか、そんなことを考えるのはきっと楽しいはずだ。


そのためには、すべてのアプリを完全に使いこなせるスキルは必要ないが、最低限どんなことができるのかを知る必要があるし、ある程度練習したり、勉強したりすることは必要だと思う。学ぶ機会をじっと待っていても誰も持ってきてはくれない。子どもたちのために、いい授業を生み出すために、常にアップデートしていくモチベーションが、今一番求められている。


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