• Toshihiro Doi

一つの区切り

ようやく昼間の気温も春めいてきた。桜の蕾も膨らみ始めていて、いろんな花たちがひっそりと咲き始めている。散歩の時にも多くの鳥たちの鳴き声が聞こえてきた。今年の花の開花は例年よりも随分遅い。





今週、うちの3人の子どものうち2人が卒業した。元々小学校の教員なので、高校や中学校の卒業式はあまり出席したことはない。小学校のように思い出の品や在校生からのメッセージがたくさん掲示されているわけではなく、厳かな雰囲気のまま、式は粛々と進んでいく。生徒たちの送辞、卒業生の答辞を聞いていると、この3年間の様子がよくわかった。苦しく我慢を強いられた2年間だったが、それぞれに思うところはあり、成長があり、ドラマがあったことが伝わってきた。


できなかった行事や行けなかった修学旅行、大人になって笑えるような明るい世界になっていてほしいと願う。たくさん我慢を強いられてきた子どもたちの貴重な時間、これを取り返して笑い飛ばせるような世界を作っていかなくては、と思った。複雑で難しい課題ばかりだけど、対話を諦めず、解決の糸口を探し続けることを説いていきたい。


教育の世界では、3月4月が年度の変わり目となり、大きな区切りとなる。異動や退職、離職の先生も増えそうで、なんとなくソワソワする時期でもある。今週も先生たちとの研修が一つ終わった。コロナ禍になり、リモートで研修を実施する機会が増えたので、回数も自然と増えている。移動にかかる費用と時間、学校を空けるということの負担が減ったので、随分と回数を増やしやすくなっているのだ。





これまでの研修は単発で終わるものも多く、何度も同じメンバーで研修を重ねていくものはとても少なかった。同じ費用をかけるならできるだけたくさんの違う先生に受講してほしい、ということもあり、講師として出会う機会も1、2回に限られる。そんな研修のあり方や形態にも変化が出てきているのだ。


年間通して関わってきた先生と、講師である私の関係性も深まっていくし、同じ研修を受けていくことで、コミュニティが形成されてくる。研修以外の時間も放課後オンラインミーティングや、コミュニケーションツールを活用した日常的な交流が、学校や地域を超えてできつつある。そしてここ一番は対面で行うことで熱量を直に伝えることができたり、雑談や余白の時間も充実したものになる。


ある自治体では、個人ごとに研究テーマを立て、それぞれが実践を通して研究を深めてきた。それに伴走し、支援する役割、勇気を与え、チャレンジを促す役割として、教育センターと私が関わってきた。それぞれ成果は違えど、研究することの楽しさや、関わりながら学ぶ面白さに気づくことができた。


個別最適な学びと、協働的な学びを1年かけて先生たちと体現してきたのだ。子どもたちの学びの姿も、答申の言葉だけでは理解できないけど、自分達が体験することでその価値に気づくことができたのだ。この研究を通して、未来の学びの片鱗が少し見えた気がした。





この学びのフレームを継続させ、コミュニティを維持していくこと、これを授業デザインに変換しながら、授業を変えていくことがこれから必要になる。自分で感じた学びの楽しさは、子どもたちの学びにつなげること、そして進化させていくことが大切だ。


それぞれの立場で、GIGAスクールが始まった今年一年、何ができて、何ができなかったのか。足りていないところはどこか、次年度はどんなフレームで、何にチャレンジしていくか、しっかり熟考していきたい。この春、新しいステージへ巣立っていく子どもたちは、不安と期待でいっぱいだと思う。同じように新鮮な気持ちで、私たち大人も4月を迎えられるよう、この3月の忙しい中ではあるけど、心と体を整えていきたい。


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