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執筆者の写真Toshihiro Doi

主語は「子どもたち」

今週は台風が2つもやってくる。9号の台風も大きな報道はされなかったが、大分ではかなりの強風で、大きな音で眠れないほどだった。県内の神社では鳥居が折れて倒れた、というニュースもあったくらいだ。そして明日には次の超大型台風がやってくる。今は嵐の前の静けさか、風もなく、雨も降っていない。


九州に住んでいると、わりと台風には慣れているところはあるが、今回は久しぶりの直撃コースで、大型台風だ。キャンプにも毎年行っているし、備蓄の水や米はたくさんあるので、うちは大丈夫だが、近所に住んでいる独居老人などはとっても心配になる。そうやって少しずつ互いの様子を気にしながら生活できることが、きっと”共助”ということなんだろうな、と田舎に住んでいると思う。





先週のブログにも書いたが、昨日でようやく大きなハードルをまた一つ超えることができた。ある自治体の、教員全員への研修の実施だ。コロナ対策を施しながらの、大きな会場での研修は困難を極めた。毎日アンケート結果を見ながら振り返り、日々バージョンアップして臨んだ。6日間の研修の中で少しずつ良くなっていったと思う。全員にリアルで想いを伝えられたこと、基礎研修を実施できたことは、先々ジワリと効果が出てくることを信じたい。


研修の中で、GIGAスクール構想のことについて話した。忙しすぎる現場の先生たちは、実際のとこ、どういう背景で始まったのか、どんな方向に進んでいるのか、現在地はどこか、ということをあまり知らない。STEAM教育やPISAのこと、文科省からの通知などを織り交ぜながら伝えた。


これまでのICT活用では、「わかる授業のため」「興味関心を高めるため」「効率的な提示で時間短縮」という3つの点が大きなメリットだ、と言われてきた。これらの主語は全て「先生たち」だ。先生が活用し、一斉授業を今よりもわかりやすく効率的に行うために活用する、という目的のために使われてきた。





しかし、今後は全く逆の発想で考えていく必要がある。1人1台の環境になった瞬間、主語は先生たちから子どもたちに変わる。研修を受ける時、自分で使う時、いろんな場面で「子どもたちなら?」と心の中で問いかけながら、イメージを膨らませていく必要がある。


日本中のほぼ全員の子どもが、自分の端末を3月までに所有し、自由に使える環境を手に入れることができたら、もっと有効なコロナ対策が生まれるかもしれない。災害時に起きる様々な困りも、子どもたちのアイデアで解消できるかもしれない。





今、先生たちは怖がったり、途方にくれたり、どうしよう、と迷っているかもしれない。子どもたちが文房具のように端末を使い、いろんな可能性を広げることができたら、大人だけでは解決できない社会課題も、子どもたちの柔軟な発想とアイデアであっさり乗り越えるかもしれない。


私たち大人は、その可能性を潰さないように、伸ばして、つないで、形にしていくことが大切だ。そしてその発想を思う存分発揮できるような場や、環境を整えていくのも大人の仕事だ。「教える」という立ち位置ではなく、伴走し、支援していけるような先生の立ち位置を早く見つけ、少しずつ、無理なく、未来の教育の姿を作っていきたい。

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