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執筆者の写真Toshihiro Doi

何を基準に、どう決めるか

ようやく開けた梅雨、すっかり毎日夏らしい気候で、大分では連日30℃を超える日々だ。東京オリンピックも開幕し、スポーツで楽しむ日々が始まる。いろいろあるけど、季節だけは”〇〇らしい”感じであって欲しい。

今週のブログは「何を基準に、どう決めるか」というタイトルにした。





実は今年、我が家には2名の受験生がいる。高校3年生の長男と、中学3年生の長女だ。同じ家に生まれ、育った2人だが性格や、その向き合い方も全く違う。だがどちらも共に悩み、考える日々だ。


ここ数年、私が仕事を変えてからというもの、転職したい人、離職したい人、職場を変えたい人からの相談がとても多い。今の仕事に限界を感じていたり、しんどくなったり、人間関係で苦労していたり、理由は様々だ。遠巻きに私の仕事などをみていて、相談したくなるのかもしれない。


大きな教育改革の波や、コロナウイルス、GIGAスクール構想などによる教育環境の変化、そして大人たちの働き方改革、などなど、長く続いてきた当たり前がいろんなところで変わろうとしている。受験生の子どもたちをみていると、明確に「私はこの仕事がしたい」「これになりたい!」という思いを感じることは少ない気がする。


YouTuberやゲームクリエイターなどの仕事に憧れる子どもたちは多いが、2021年度の調査では「会社員」が1位になったというのだ。会社員という仕事はとてもぼんやりしているように思う。どんな会社で、何をしたいのか、そこが明確ではない。





高校進学も、学力の高い高校にとりあえず入る、というぼんやりした幻想を抱く子どもたちと、いい高校に行かせたい、という大人の考え。塾の広告などの進学率や実績は、これからの世の中にどれほどの価値があるのだろうか。


大学も、とりあえず何もないから行けそうなところに行く、というぼんやりした思考。先の見えない世の中の有り様は、子どもたちを思考停止させてしまっているのかもしれない。そして私たちも安易に、いい高校に行けば、いい大学に行け、いい会社に入れば幸せになれる、という過去の価値観で縛ってしまっているところはないだろうか。


多様性を認める社会にしたい、と思う一方でその多様性を奪うような教育になってはいないだろうか。子どもたちの未来の選択肢はもっと自由であるべきだと思う。そして私たち大人の働き方も、生涯一つの職業を全うする、というだけではなく、もっと自由で寛容になればいいと思っている。





ブログにも何度も書いたが、私の場合は、10歳の時から小学校の教員をめざし、やっと大人になって夢を叶えた。その後、教育行政の経験を5年積み、退職し、起業するというなかなかイレギュラーな人生を歩んでいる。でも全く後悔はしていないし、むしろその経験や、教育、子どもたちに対する思いの強さだけが大きな強みになっている。芯にあるところは何も変わっていないので、思考はブレていない。


仕事だけではなく、そもそも豊かに、幸せに生きていくことこそが一番大切だ。しかし、多くの時間を費やす仕事や、進路の選択の際には、もう少し広い視野で、色々な選択肢があっていい。


そんな選択肢を増やしていくために、学校の中での社会との接点や、多様な仕事に触れる機会、いろんな進路を歩む先輩からの話、そんな機会を意図的に創出していきたい。子どもたちだけではなく、私たち大人も、仕事や生き方に関してのアップデートが必要なのかもしれない。

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