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執筆者の写真Toshihiro Doi

先進校ってどうあるべき?

今週末、再び大分の方へ大きな台風がやってきそうだ。天気図の上に3つも台風があるのにびっくりする。久しぶりの直撃コース、食料の買い物や、いろんな対策が必要になりそうだ。大きな被害がないことを望むばかりだ。


3年も続けている海岸清掃、めっきりごみは少なくなったし、大きな流木などもほとんどない。行政への働きかけもあって、道具なども揃ってきて綺麗な海岸になっている。でもこういった大きな台風や大雨などがくると、たくさんのゴミが漂着する。遠くは広島、韓国などからも流れ着く、台風の時にそんなことを考えるようになったのも、ここ最近の自分の変化だと思う。意味がないように感じることもあるけど、しないよりは絶対したほうがいい。来週は覚悟して清掃に行こうと思う。



さて、今日はいわゆる「先進校」について考えてみようと思う。学校の文化では先進校という言葉がよく使われる。各自治体が設置したモデル校、研究校などと呼ばれる学校だ。それぞれの学校に研究テーマが与えられ、決められた年限で、そのことについて学校挙げて研究をし、その成果を発表するのだ。


同じように、各都道府県には国立大学や教育大学があり、その附属の学校がある。関わり方には様々な程度はあるが、母体は大学であり、文科省の定義では以下のようになっている。


使命・役割

実験的・先導的な教育課題への取組

地域における指導的・モデル的な学校としての取組


大学・学部の教育実習計画に基づく教育実習の実施

教員を目指す学生に対し、体験的な実習を実施


現代的教育課題(特別支援、いじめ、不登校など)に対応した教員養成の在り方に関する研究への協力





特にこの附属学校は研究の占めるウェイトがとても大きく、一昔前は最新の研究はそこに行けば見ることができていた。今回ある学校を訪問し、たくさんのお話を聞いたり、授業を見せていただいた。そこには素晴らしい研究がたくさんあり、そこに至るまでの苦労が見えた。「学びの自己調整力」という最近出てきた、すごく難解な課題に対して、かなり本質に迫るような研究と実践があった。


そして何より、子どもたちの学びのスキルや、表現力、創造力の高さに驚かされた。子どもたちのポテンシャルを解放できるような課題があれば、彼らは一気に私たちの想像を超えていく。だからこそ、授業デザインをどうするか、課題をどんなふうに設定するか、そこがとても重要になる。子どもたちにiPadの使い方を教えなければ、などという発想の無意味さを味わった。


同時に若い先生たちの育成や、授業力の向上をどう進めていくか、という多くの学校が抱えている課題についても苦慮していた。ベテランがいなくなり中堅の先生たちにその負荷がかかっている現実も見えた。間もなく多くの学校が同じ悩みを背負うだろう。




モデル校や研究校、附属学校の取組はとても素晴らしい、でもその発表会を見に行って、その取り組みがその自治体全体にちゃんと波及しているだろうか。「あの学校だからできるんだ」「うちでは無理だ」となってはいないだろうか。そしてそれは校内でも起きていて、「あの先生だから」「あの学級だから」となってはいないだろうか。


見る側の視点やモチベーションは大切で、同じものを見ても、学び取れることの幅は変わってくる。同時に伝える側も綺麗なところだけではなく、シビアな現実も併せて伝えていくことも大切だと思う。そして教育委員会も、『研究=モデル校』というずっと前からとってきた手法が本当に最適なのか、もう一度見直す時期にきているのではないだろうか。研究のあり方、手法、いろんなことを総合的に再考していく必要性を感じる。

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