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地方で働くことにこだわる

執筆者の写真: Toshihiro DoiToshihiro Doi

3月に仕事を辞めるのを決めた時、幸せなことにいくつかお仕事の話をいただいた。自分のことを知っている方から、その力を活かして、というものだったし、嬉しい話だった。ただその時に必ず出るのが「大分でしょ?」というセリフ。


私は起業する時に拠点をどうするか、迷うことはなかった。もちろん大分で!ということしか考えてなかった。自分自身、生まれ育った別府を離れて今のところにいるので、そんなに強い思い入れがあるわけではないけど、なんとなく地方で働く選択をした。



4ヶ月を経過して、その選択は正しいと思っている。仕事のほとんどは県外で、東京には月に3回くらい行っている。もちろん地方に行くこともたくさんあるし、その移動で時間をたくさん使っているのも事実だ。無駄なお金もかかっているかもしれない。まだまだ地方の交通インフラは発達していなくて、クルマ社会なので時間もエネルギーもかかる。




でもこの先はどうだろう?5Gが2020年から少しずつ入ってきて、私たちの生活は激変するはずである。学校現場もそれに合わせて、変革の時を迎えている。オリンピックを機にまた一つ世の中が変わっていくことは間違いない。そうなった時、この先5年10年の未来をどこまで見通すことができるだろうか。

実際大分にいても、東京、大阪、名古屋など複数の人と遠隔でweb会議をする日常だ。時間さえ合わせればどこにいても誰とでも話すことができる。それは世界中どこでもだ。



リアルで会って話すこと、飲むことも大事だけどそこをカバーできるテクノロジーはすでにある。あとはそれを利用し、その変化を受け入れられる自分であればいいのだ。



地方にいることの価値は、もっと別のところにある。私は大分を離れて3日目にはいつも”帰りたい病”を発症してしまう。それはなぜかというと、ここ大分にある豊かさだと思う。目の前に別府湾があり、季節の移り変わりを感じられる草花があり、近所でお散歩するおばあちゃんと話す時間がある。ドアノブには美味しい野菜がかかっていて、可愛いわんこや家族も待っている。稲の成長や水の様子、野菜の育ちを確認することができる。



何もない田舎にあるのは、ゆったりした時間と、美味しい食べ物だ。その環境でしか出てこない発想もあるかもしれない。働き方や考え方を変えることができれば、田舎にいることはハンデではなく、メリットになる。地方にいながら、全国で仕事をする。都会一極集中ではなく、そこに活路を見出さなければ、地方はどんどん衰退する。



都会に出たい、と思う子どもたちの気持ちもわかるけど、本当に贅沢で豊かな暮らしは地方にあるのかもしれない。そんなことを体現できる働き方を目指していこうと思う。地方の抱える課題は地方にいる人間にしかわからない。日本の大多数は地方にいるのだから、それをしっかり吸い上げながら全国展開できればきっと共感を得られるはずだ。



働き方は学び方と同じでどんどん変化していくし、適正なものは人によって違う。そこを受け入れて一緒に協働できる世の中であってほしいし、その多様性をどんどん出していきたい。田舎はとってもいいところ、是非みなさん大分に遊びに来てください。

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