数字から何を感じ、どう行動するかToshihiro Doi2021年10月9日読了時間: 4分今週も毎日30℃近くまで気温が上がり、よく晴れて爽やかな日が続いている。研究会のシーズンに入り、私の仕事量も日々増えていて、なんとか毎日を乗り越えている感じだ。昼間は暑いけど、それなりに秋らしくなり、木々や草花もそんな装いだ。うちのお米たちも今年はここまでとても順調で、来週の稲刈りまで何もなければ、いいお米がたくさん穫れそうだ。昨年の経験があるので、穫れない辛さもよくわかる。このまま何もなく収穫を迎えられることを祈るばかりだ今週も仕事で、教育委員会や、先生たちと話すことが多く、「学校」という場で、これからの教育、授業をどうすればよいかを考える日々だった。一方、先週、今週と子どもたちを支える「学校以外」の関わりをする方との時間も多くあった。学校に通えない子どもたちのためのフリースクールや、貧困問題で苦しむ子どもたちを支える子ども食堂、地域で支える大人たちだ。色々な資料を見てみた。「令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」令和2年11月13日(金)によると・・小学校、中学校、高校の長期欠席者数は、小学校9万89人、中学校で16万2736人、高校で7万6775人。そのうち不登校なのは、小学校5万3350人、中学校13万7922人、高校5万100人で、在籍数に占める割合は、それぞれ0.8%、3.9%、1.9% 合計すると不登校の子どもたちは23万人いる。それだけではない。少し古いデータにはなるが、「不登校傾向にある子どもの実態調査」 2018/12/12によると、その数字は3年前の時点で中学生だけで33万人という数字になる。全生徒数が325万人なので、約10%の生徒数なのだ。この統計を2021年の今とってみると、間違いなく増えているだろう。小・中学生、高校生の人数は2020年の統計では全体630万人だ。つまり今の学校の在り方に適応できない子どもたちが23万人もいる。さらに衝撃的なのは子どもの自殺だ。文科省や厚生労働省によると、2020年の小中高生の自殺者数は前年から25%増え499人(確定値)で、統計の残る1980年以降では最多になっている。気が滅入ってくるが、さらに統計を紐解くと、2018年(平成30年)の子どもの貧困率(17歳以下)は13.5%であることが、2020年7月17日に厚生労働省が発表した「2019年国民生活基礎調査」の結果から明らかになった。前回調査時(2015年)よりも0.4ポイント改善しているが、約7人に1人の子どもが貧困状態にある。子どもたちの虐待の問題もある。厚生労働省の8月27日の発表によると、令和2年度の児童相談所による児童虐待相談対応件数(速報値)を公表しました。件数は20万5029件で、前年度より1万1249件(5.8%)増え、過去最多を更新、とある。相談の内容別件数は、多い順に、心理的虐待12万1325件(全体の59.2%)、身体的虐待5万33件(24.4%)、ネグレクト3万1420件(15.3%)、性的虐待2251件(1.1%)となっている。これらの数字をみて、どう感じただろうか?日本では500人近くの子どもたちが自ら命をたち、学校に行けない子どもが23万人いて、その予備軍が33万人。貧困状態にある子どもが85万人もいるのだ。そして虐待を受けている子どもたちはわかっているだけで20万人以上いる。私たち教育に携わる大人は、ここから目を背けてはいけないのではないか。フリースクール、オルタナティブスクール、子ども食堂、制服バンクなどなど、こんな子どもたちの現状を憂い、自分にできることは何か、地域でできることは何か、そんなことを考え、行動に移し始めている大人は確実に増えてきている。実際、子どもたちの居場所は間違いなく多様化しているとは思う。しかし、まだまだ課題は山積していて、出席日数、進学、就職の問題、貧困層や虐待をどう防ぎ、守るのか。何よりそんな支援をしている人たち自身が、金銭の問題や運営の問題、地域社会の中での不理解に悩まされ、長く続けられない現状がある。私自身は、直接的に子ども支援の事業はしていないが、そんな想いを持って「子どもたちのために」手を差し伸べている大人を全力で支援したいと思う。公教育の改革を推し進める一方で、そんな多様な居場所を模索する大人を支援していきたい。相反することのようだが、自分の中ではモチベーションは同じだ。「子どもたちの幸せのために」何ができるのか。私自身ずっと問い続けたい。
今週も毎日30℃近くまで気温が上がり、よく晴れて爽やかな日が続いている。研究会のシーズンに入り、私の仕事量も日々増えていて、なんとか毎日を乗り越えている感じだ。昼間は暑いけど、それなりに秋らしくなり、木々や草花もそんな装いだ。うちのお米たちも今年はここまでとても順調で、来週の稲刈りまで何もなければ、いいお米がたくさん穫れそうだ。昨年の経験があるので、穫れない辛さもよくわかる。このまま何もなく収穫を迎えられることを祈るばかりだ今週も仕事で、教育委員会や、先生たちと話すことが多く、「学校」という場で、これからの教育、授業をどうすればよいかを考える日々だった。一方、先週、今週と子どもたちを支える「学校以外」の関わりをする方との時間も多くあった。学校に通えない子どもたちのためのフリースクールや、貧困問題で苦しむ子どもたちを支える子ども食堂、地域で支える大人たちだ。色々な資料を見てみた。「令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」令和2年11月13日(金)によると・・小学校、中学校、高校の長期欠席者数は、小学校9万89人、中学校で16万2736人、高校で7万6775人。そのうち不登校なのは、小学校5万3350人、中学校13万7922人、高校5万100人で、在籍数に占める割合は、それぞれ0.8%、3.9%、1.9% 合計すると不登校の子どもたちは23万人いる。それだけではない。少し古いデータにはなるが、「不登校傾向にある子どもの実態調査」 2018/12/12によると、その数字は3年前の時点で中学生だけで33万人という数字になる。全生徒数が325万人なので、約10%の生徒数なのだ。この統計を2021年の今とってみると、間違いなく増えているだろう。小・中学生、高校生の人数は2020年の統計では全体630万人だ。つまり今の学校の在り方に適応できない子どもたちが23万人もいる。さらに衝撃的なのは子どもの自殺だ。文科省や厚生労働省によると、2020年の小中高生の自殺者数は前年から25%増え499人(確定値)で、統計の残る1980年以降では最多になっている。気が滅入ってくるが、さらに統計を紐解くと、2018年(平成30年)の子どもの貧困率(17歳以下)は13.5%であることが、2020年7月17日に厚生労働省が発表した「2019年国民生活基礎調査」の結果から明らかになった。前回調査時(2015年)よりも0.4ポイント改善しているが、約7人に1人の子どもが貧困状態にある。子どもたちの虐待の問題もある。厚生労働省の8月27日の発表によると、令和2年度の児童相談所による児童虐待相談対応件数(速報値)を公表しました。件数は20万5029件で、前年度より1万1249件(5.8%)増え、過去最多を更新、とある。相談の内容別件数は、多い順に、心理的虐待12万1325件(全体の59.2%)、身体的虐待5万33件(24.4%)、ネグレクト3万1420件(15.3%)、性的虐待2251件(1.1%)となっている。これらの数字をみて、どう感じただろうか?日本では500人近くの子どもたちが自ら命をたち、学校に行けない子どもが23万人いて、その予備軍が33万人。貧困状態にある子どもが85万人もいるのだ。そして虐待を受けている子どもたちはわかっているだけで20万人以上いる。私たち教育に携わる大人は、ここから目を背けてはいけないのではないか。フリースクール、オルタナティブスクール、子ども食堂、制服バンクなどなど、こんな子どもたちの現状を憂い、自分にできることは何か、地域でできることは何か、そんなことを考え、行動に移し始めている大人は確実に増えてきている。実際、子どもたちの居場所は間違いなく多様化しているとは思う。しかし、まだまだ課題は山積していて、出席日数、進学、就職の問題、貧困層や虐待をどう防ぎ、守るのか。何よりそんな支援をしている人たち自身が、金銭の問題や運営の問題、地域社会の中での不理解に悩まされ、長く続けられない現状がある。私自身は、直接的に子ども支援の事業はしていないが、そんな想いを持って「子どもたちのために」手を差し伸べている大人を全力で支援したいと思う。公教育の改革を推し進める一方で、そんな多様な居場所を模索する大人を支援していきたい。相反することのようだが、自分の中ではモチベーションは同じだ。「子どもたちの幸せのために」何ができるのか。私自身ずっと問い続けたい。
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