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執筆者の写真Toshihiro Doi

遠隔での教育活動の目的は?

ずっと冬の晴れ間が続いていたが、今週末は少し曇り空。どんより重たい雲の休日だ。朝晩の冷たい空気はピリッとしていて目が覚める。紅葉していた木々たちも葉っぱが落ちて、いよいよ冬の景色になってきた。


大分でもコロナの第3波はどんどん拡大を続けていて、連日最多を更新中だ。なんとなく教育委員会や市役所を訪れてもピリピリした空気を感じる。近いところまで来てるな、という感じがしてきた。これまであまり感染者が少なかった大分だが、拡がるスピードは結構早い。






今週のブログは「遠隔での教育活動の目的は?」というタイトルにした。最近相談や講演依頼が多いのは「遠隔授業」「オンライン教育」などだ。コロナや災害を見据えた対応をどうしていくか、ということだ。


実際は未配備だったり、入ったばかりのGIGA端末を使って、何か春の休校の時とは別の対策を施すべきだ、といろんなところから要請されている。そもそも4年かけて整備を進めるはずだったGIGAスクール構想を一気に今年入れたんだから、もし休校になったらこれをフル活用してオンライン授業を!と・・・


気持ちはとてもわかるし、税金を使って整備をしている以上、すぐにでも目に見える成果が欲しい、というのも納得できる。しかし現実はそんなに簡単ではない。夏休みの短縮や、コロナの拡大で工事業者、端末設定業者は大変な思いをしながら、納期に間に合わすために進めている。実際はまだ工事が完了していない自治体や、納品待ちのところはたくさんある。教師用の端末のみ先行配備しているところも多い。





どちらにしても今のタイミングは、道半ばで途中の段階だ。子どもたちの端末整備がまだのところは、春の時と対して状況に変わりはない。各家庭のネットワークや、端末を使ってオンラインでの教育活動をすることになるのだ。平均すると家庭でのWi-Fiは7〜8割程度にとどまる。


そもそも先生方もオンラインでの教育活動についての研修など、受ける時間もままならないまま今日に至っているはずだ。その自治体で導入されるであろう、どんなサービスやソリューションを使って、どの程度の時間で何をするべきか。自治体で方針を決め、学校がそれを受け止め、どんな内容で実施するのか。それぞれの教員が理解し、備えられているところなど皆無だと思う。



オンラインを活用した教育活動にも、リアルタイムで会議システム等を使った同期型と、動画配信や課題提出を軸とした非同期型に分けられる。その違いや特性、環境との整合性、したいこととのマッチング、できない状況にある子どもたちへの配慮や、家庭へのサポート、考えつくだけでもたくさんの検討事項と配慮事項があり、事前に理解しておくべきことも多岐にわたる。





日常活用のICTにまで至っていない今の状況で、すぐにオンラインで!というのは無理があると思う。もちろんこれから先の未来で、オンラインでの教育活動をどう進め、取り入れていくかの議論は必要だし、チャレンジしていく必要性は確実にある。でも現実に現場で起きている現状を考えてみると、そんなに簡単なことではない。


まずはじめに、何を目的としてオンラインでの教育活動を行うのか。そこをしっかり議論する。それぞれの自治体や学校の現状を冷静に分析し、今すぐできること、これからすべきこと、将来的にたどり着きたいイメージを、整理整頓していくことが大切だ。混乱が起きている今だからこそ、先生や子どもたちのモチベーションを保ちながら、保護者などに丁寧に状況を説明し、できることを着実に進めていく必要がある。

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