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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

InputとOutput

今日の大分は珍しく大雨、朝方から降り続いている。冬の天気がずっと続いていたのでなんだか新鮮だ。まだまだ冬の寒さは続きそうだが、このまま雪など降らずに穏やかな天気が続いて欲しい。


今週は家の事情もあってずっと県内で仕事の一週間だった。家事仕事も多くあったので、大変だったが、子どもたちとも楽しく過ごすことができた。来週からはまた出張の生活が戻ってくる。体調を整えて、しっかり準備をしていきたい。今年もまた忙しい一年になりそうだ。 





今年度実施してきた研修も、少しずつ終わりを迎えている。最近の研修は単発のものではなく、1年間や半年という長期間の研修が多く、回数も多いところだと半年で5回くらいある。なんとなく小さな学級のような雰囲気になるし、コミュニティになっている。固定のチームで関わりながら研修を行なっていることが多いので、私としては学級経営をしているような気持ちになる。


寂しいような嬉しいような、巣立っていく先生たちを見送りながら、また次の意欲ある先生たちとの新しい出会いを楽しみにしている。そんな先生たちと色々話していく中で、今学校で起きていることや、困っていることなどを聞くことも多く、その中での気づきも多い。ICTを使った授業改革を進めていくときに、さまざまな指標がある。私がよく使うのは「SAMRモデル」だが、もう少しわかりやすいものもあるかもしれない。


InputとOutputの量の比較だ。これまでの授業では圧倒的にInputの時間や量が多い。戦後の高度成長期の教育では、子どもの人数も今よりずっと多かった。一斉に効率的に知識を注入していくには、一定の知識を持った教師が、わかりやすく伝え、トレーニング的に問題を解かせ、その理解度をテストで測る。という方法は一番あっていたのだと思う。





決まりきったことを記憶し、パターン化された問題を解くことができる。工業化社会の中ではその教育の方法が一番欠かせなかったのだと思う。しかし時代は大きく転換している。テクノロジーが生活の中に浸透し、世の中は混沌としている。いつ何が起きて、世界がどう変わるのかは誰にも予測ができない世の中なのだ。


授業の中でも研修でも、教師や講師が一方的に知識を注入しているだけでは、知識量も思考の量も足りない。そのちょっとだけ自分を上回る知識を得た上で、自分の中に取り込み、咀嚼し、その上で自分なりの考えや思いをのせ、さらにOutputする必要があるのではないだろうか。


思考を可視化し、誰かに伝えることを繰り返しながら、自分のものにしていく。伝えたけど伝わらなかった経験、そこから始まる思考、そのアップデートの作業こそがこれから求められていく学びなのではないだろうか。そんな学びかたの変換がスムーズにできれば、きっといい授業改革につながるはずだ。





だからこそ、今私が実施している研修では、なるべく多く対話の時間を取り、思考を途切れさせないように課題を出し、Outputの場面を多く設けている。業務をこなしながらの継続した研修は、とても大変だと思うが、それなりに充実しているし、先生たちに明らかな意識の変容が生まれている。


自分の授業を振り返るときに、InputとOutputの量、自分と子どもたちの発話の量、こんなシンプルなものについてじっくり考えてみるといいのかもしれない。そしてOutputの手段はタブレットがあることによって飛躍的に増えている。できるだけ多くの手段を経験させ、それぞれに合ったOutputのカタチを選択させてあげたい。

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