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執筆者の写真Toshihiro Doi

マネジメントってどんなこと?

梅雨が明けてから、ずっと天気が悪い日が続いている気がする。雨の量も降り方もひどく、全国で災害のニュースがたくさんだ。この時期の大分も雨量は多い。じめじめ湿気の多い毎日だ。学校では相変わらず子どもたちはマスク生活が続いていて、こんな天候だとストレスも溜まってくるだろう。いつになったら状況が落ち着くのか、まだまだ見通せない。


今週は関東の方へ仕事で出張、あとは隙間なくミーティングが続いた。大分での夏恒例の操作研修も始まり、8月のスケジュールもほとんど埋まってしまった。相変わらず忙しいが充実はしている。





今回はマネジメントについて書いてみようと思う。学校でもこの10年くらいの間に、管理職を中心に「マネジメント力の向上」ということが言われてきた。元々はビジネスの用語であったマネジメント、という言葉が学校現場でも当たり前に使われている。


ピーター・ファーディナンド・ドラッカー(1909~2005、アメリカ)は以下のように定義した。

・マネジメント:組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関

・マネージャー:組織の成果に責任を持つ者


学校現場でも、学力や体力など、明確に成果をあげなければいけない状況になり、PDCAサイクルを回して、授業を改善していきましょう。という経営の理論が取り入れられてきたのだ。数値目標を掲げ、達成率を問われ、評価され、あたかも営業職のような感覚で先生たちはマネジメントされている。


そして管理職は、マネジメントを学ぶための研修が組まれ、それが主な仕事だ、というような状態になっている。そんな中で、子どもたちの学びを主体的なものにし、自律的に学べる子どもを育て、自由な発想を大切に、創造力を育成しよう、というのはかなり難しいのかもしれない。先生たちが自由を無くし、管理される側に立ち、数値目標の達成を強いられている状況だからだ。





起業して、4年目も半分が過ぎた。当初とは状況が変わり、自分の会社の名刺を持つ人が増えた。現場に行って子どもたちのために働く仲間が増えた。現場や委員会にいたときにはわからなかった、マネジメントをする側になったのだ。これは初めての経験で、まだまだ手探りなことが多い。


私が心がけたのは、まず給与だ。不安定ではなく、きちんと毎月入ってくる状況を整えた。そして次に、その人個別の事情や、働く頻度、状況をヒアリングした。全員と話した上で、それぞれに無理のない働き方、それに見合った給与を保証した。それぞれが子育てをしていたり、遠方から通うこともあって、休める体制も確保できた。


あとは、必要な道具も全て要望通りに揃えた。常時連絡ができる体制と、チームビルドのための時間、定期的な研修、情報交換の場も保証した。そこまでを整えたら、個人のパフォーマンスを最大限発揮してもらえるのではないか、と予想したからだ。安定した収入と心理的な安定があれば、子どもたちや先生に対して、いい支援ができるはずだ。さらに、誰かに必要とされること、感謝されたり、笑顔をもらうことでモチベーションは高まる。





先生たちはどうだろうか?今の状況はそれぞれの先生の、最大限のパフォーマンスが発揮できるものになっているだろうか。教育委員会や管理職は、先生たちに一番いい状態で働けるように配慮しているだろうか。そうやって支援し、応援することがマネージャーの本来の役割なのかもしれない。


子どもたちの前にたち、授業をする先生たちが、心も体も充実していることが一番大切だと思う。子どもたちを育てる先生たちの、しんどい状況をまずは変えていくことが、いい教育を生み出すことになるのかもしれない。


私自身もまだまだマネジメントについて、考えるべきことも多いし、うまくいかないこともたくさんある。多くの対話、コミュニケーションを通して、その都度修正し、改善しながら進めていくしかないと思っている。そうすることが本来のマネージャーの仕事なんじゃないだろうか。



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