top of page
  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

主役は子どもたち

更新日:2020年5月6日

一気に夏の陽気なここ数日の大分、夏日になることも多くなってきた。こんな年に限ってゴールデンウィークはずっと晴天が続き、出かけられないけれど爽やかな気候だ。天気が悪いよりはよっぽどいいけど、なんだか恨めしくも思える。


依然として予断を許さない状況は続いているが、ここ数日、大分県は小康状態が続いていて、このまま静かに過ぎ去ることを祈るのみだ。日本全体では連休明けにも緊急事態宣言の延長が告げられ、学校の休校措置も多くの学校は延長になるだろう。9月入学についても議論がされ始めている。給付金の話も決まったが、大学生の問題や、観光、飲食、中小企業など、支援が必要なところは多岐に渡る。





実はこの間、粛々と変わらずにいるのは、第一次産業である漁業や農業だ。今年の米作りも池の周辺の草刈りの日程も同じで、田植えのスケジュールも変わりない。密になることもなく普段通りに進んでいく。あとは例年通り天候を祈るのみ、日々田植えに向けて準備を進めるだけだ。


今週のブログは「主役は子どもたち」とした。休校措置の中でオンラインでの教育活動が、じわりじわりと進み始めている。肌感ではまだまだ少ない印象だけど、長引くにつれて少しずつ整い、始めるところが出てきつつある。ネットワークインフラや端末の所持、サポート体制、兄弟関係などの調査や、アカウントの付与など、始めるためにはいくつものステップが必要だ。配信にしてもノウハウだけでなく、教員のリテラシーや考え方の変容も大切だ。





オンラインの世界にはオンラインなりの方法論があり、コンテンツの良し悪しはそこにいるプロから学び、作っていかないと子どもたちは見てもくれないだろう。GIGAスクール構想も前倒しとなり、企業の方でもパニック状態が続いている。モノも枯渇しているが、設計やキッティング(初期設定)などのリソースが足りておらず、納期は遅れていく。



休校措置が明けたあと、土曜授業も日曜授業もあり、夏休み、冬休みはなし、修学旅行、文化祭、運動会、遠足などの行事はなくなる可能性が高い。1日7時間の授業時間を確保する、という自治体も出てきている。これを聞いた子どもたちは、一体どんなモチベーションで、何をしに学校へ通うのか。給食や弁当の時間も席を離して、喋らずに食べる。消毒やマスクは必ずつけて、無駄話をせずに黙って授業を受ける。こんな学校のどこに楽しみを見出すのだろうか。


新しい学習指導要領のなかで掲げられていた「主体的・対話的で深い学び」をどうやって実現させるのか。学校は密を避けて運用することなど不可能だ。授業時間数を合わせ、子どもたちを従順に従わせ、先生たちが目を光らせ、学校を一体どんな場所にするのだろうか。





これまでと同じように、決められた時間数の授業を行い、テスト学力や受験のための勉強を進め、教科書を終わらせていく教育を実現しようとするのは、誰がどう考えても無理だろう。そしてこの間、自分で学ぶことを覚えた子どもたちは、元の学校の姿をめざしても意味がないことを知るはずだ。


”グローバルスタンダード”と9月入学を推進するのであれば、世界がめざす教育をもっと知り、時期の変更だけではなく、教育観や指導観も世界標準にアップデートしなければ意味はない。これから訪れる大きな不況を前にして、主役にならざるを得ない子ども達のことを何より考え、今の教育を変えていく必要があるのではないか。今だけでなく、未来の投資のために、「主役は子どもたち」とみんなで声を上げ、子どもたちの今と、これからを大切にしていきたい。


閲覧数:195回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page