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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

伝わるデザイン

更新日:2022年9月12日

台風に始まった今週だった。風雨はひどかったがこの辺りはあまり大きな被害もなく、去っていった。台風シーズンのこの時期は次々とやってくるが、九州の人は割と台風には慣れているので、それぞれの家で対策をし、なんとか凌いでいる。台風のあとは一気に秋が訪れたように涼しくなった。


秋に運動会が行われる学校は、そろそろ練習が始まっているようだ。運動場にテントがあったり、運動会の備品を校内でも目にするようになってきた。いろんな制約の中だけど、子どもたちがグッと成長する運動会にしてほしい。





今週はデザインについて考えてみようと思う。2015年、私はADEとしてシンガポールにAppleの研修に行った。その時はすでに指導主事として研修をたくさん実施していたので、MacでもiPadでもKeynoteでスライドを作って、研修で提示していたし、学会や講演会でもたくさんの枚数のスライドを作り、それをもとに話していた。


シンガポールで受けたいくつかのセッションの中で、デザインに関わるものや、Keynoteを作った人の話を聞いた。その時に初めて、スライドデザインについて学ぶことになったのだ。それまでは自分が話しやすいように構成していたスライドだったが、相手にとってどう見えるか、というところまでは考慮していなかった。


限りなくシンプルなデザインを追求することや、見せ方のコツ、話していることとどうリンクさせるか、などなど全く知らないことや考えていなかったことを知ることになった。その後日本に戻ってきてからは、自分が作成していた全てのスライドを作り直したのだ。





デザインについてはその後も興味が湧いてきて、たくさんの本を読んだ。そうするとデザインの世界にはきちんと法則や作法があって、そういったものを押さえながら作ることで、見る人たちにとっても心地よいものになることがわかった。色の意味や、配置の意味など何気なく目にしていたものが、きちんとした設計のもとに成り立っていることに気がついた。


それからは、自分の作るものだけではなく、人のスライドの構成やデザインをよく見るようになり、かっこいいスライドから学ぶようになったのだ。自分でも話していてちょっと違和感を感じたものや、話しにくいアニメーションになっていたり、色味がシンプルになっていなかったりするものは、その都度修正し、アップデートするようにしている。


そうやって少しずつ、自分なりのスライドの作り方や、気持ちいいシンプルな構成を作れるようになってきた。デザインから伝わることは大きい、記憶に残る言葉は、見せ方や伝え方によって大きく変わる。





学校でも一人一台の環境になって、子どもたちがスライドを作ってプレゼンすることが増えてきた。スライドを作ること、発表することは目的ではない。作れたこと、話せたことを褒めるのではなく、その先を目指していきたい。発表を聞いた人の心がどのくらい動かせたか、伝えられたことで相手の行動をどう変容させられたか。本質の部分に迫るプレゼンを子どもたちにも伝えたい。


そのためにも、デザインについて学ぶこと、かっこいいスライドや、伝わる話し方、言葉のセレクトの重要さ、そんなことについて、子どもたちだけではなく、先生たちも一緒に学んでいけるといいと思う。発表原稿を捨てて、心に響く自分の言葉で伝える大切さを伝えていきたい。


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