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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

今が潮目

今週も怒涛の5月出張ラッシュ、最後は都内への出張だった。初回はどうしても現地へのニーズも多く、自分としては辛い1ヶ月となった。その間に季節もどんどん移り変わり、午後は仕事場の離れもかなり暑い。


いろんな草木もどんどん伸びるこの時期は、野菜も安くて美味しい。こんな時に田舎の豊かさを感じる。我が家の夏野菜もぐんぐん伸び、早くも収穫を迎えているし、ジューンベリーも熟し、ブルーベリーもどんどん実をつけている。





「潮目」という言葉はもともと、海の速さの違う潮の流れがぶつかり合う場所で、海面上に細長く伸びた筋が見える所のことを指す言葉だが、もう一つの意味として”流れゆく物事が向かう方向。また、情勢が変化するその境目”とある。


5月の1ヶ月、全国のいろいろな自治体で研修を行ったり、モデル校の先生たちと会話したり、教育委員会の人たちと何度もミーティングを重ねていく中で、この「潮目」を実感した。ICTの研修を長くやってきているけど、明らかにここ最近は流れが変わってきている。


当たり前の光景が随分と変化してきているのではないだろうか。それに伴って、先生たちも戸惑い、模索し、次のステージを求めているように感じる。使うこと、そこにあることが当たり前の日常となった今、さらにその先をどう描いていくのか。まさに今、潮目に立っていて、どちらに進むのかが問われている。





だからこそ、今必要なことは、当たり前の発想を壊していくことだ。例えばこれまでは、教員養成の過程でも、指導案が書けることは当たり前のスキルとして捉えられていたし、授業前の検討段階でも、授業後の指導主事からの指導・講評も、指導案を俎上に乗せ、どうあるべきか、どうだったかを延々と議論することが当たり前だった。


そもそも、それぞれが個別最適な方法で学び、協働していく中で新しいものを創造していくことを目指す授業の中で、教師が授業の前に起きること全てを想像し、描いた既定路線に乗せ、進められたかどうかを評価する授業のあり方自体を、根本的に見直さなければならない。


現実に起きていることと、これから描いていく新しい教育に求められる姿は、全く異なるものだ。授業研究や、授業の評価軸そのものも抜本的に変えていくことは必須だと思う。指導主事の力量が問われているのだ。


昨年度より、授業研究の仕組みそのものも、新しいフレームを創造している。個人でテーマを立て、それぞれが探求し、場面や内容に応じて協働したり連携できる仕組みを作ろうとチャレンジしている。今の研究のスタイルでは、山積する課題に対して、あまりにもペースが遅く、先生たちが主体的に、ポジティブに研究に向き合うことができないからだ。





限られた時間の中で、より大きな効果や、それぞれのモチベーションを維持し、楽しみながら研究を進められるための方策を探し続けている。毎週決まった時間に設けられている研修や研究の時間を、より良いものに変えていき、先生たちを解放し、やる気や元気を取り戻してもらうことも必要だ。


こんなに魅力的で、未来を創造できる仕事は、他にはないと思う。子どもたちの未来は私たちの未来だ。だからこそ先生たちがニコニコ楽しく働くことができ、やりがいや尊さを感じられるように働きかけたい。まさに今が潮目、流れを掴んで次のステージに、できるだけ多くの人と進んでいきたい。

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