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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

「研修」のあり方の変容

今週末の大分は雨だ。でも気温は高く、春の雨の匂いがする。2月も中旬になり、あっという間に春が来て、今年度も終わりそうだ。今週は長く関わっている島根の学校に久しぶりに出向いて、先生方にお会いした。私立の学校も、この1年色々周囲の状況が変わり、思っていたようなことができない1年だった。


生徒募集や地域での体験活動、交流活動もうまくできないことが多く、仕方ないけれど特色の出せない、もどかしい1年を過ごした、と話していた。それはそのまま次年度の募集にもひびき、苦戦している。スッとオンラインに切り替え、いろんな活動が代替できた学校と、二の足を踏んでいる間に1年がすぎてしまった学校。ここから先はさらに差が開いていきそうな感じがする。





公立の小・中学校では1月から3月までの間に70%の学校に納品され、使用が開始される。4月まで保管しておく学校もあるようだ。通常の年度末とは違い、色々と考えること、準備することの多い年度末になるだろう。


今週のブログは「研修」のあり方の変容、というタイトルにした。1人1台の端末導入が目の前に控え、本格的な活用が4月からスタートする。今は、私自身が、連日研修や次年度の計画、人材育成のプランニングに追われ、とても忙しくしている。常に締め切りと隣り合わせで自転車操業状態だ。


そんな中、最近私自身も考え方を変え、伝える中身も変わってきた。先行導入してる小学校に行くと、子どもたちは案の定、自分たちの意のままに端末を操る様子を目にした。実際に3週間たって、子どもたちに聞いてみると、キラキラした顔で「楽しい」「便利」「もっと使いたい」という肯定的な声しか挙がらない。事実、担任の先生のスキルの有無に関わらず子どもたちは普通に使えている。





できないことは検索し、友だちに尋ね、スキルはどんどん向上していることが明らかだ。ICTを使った研修を毎日たくさんの先生たちに行っている私だが、先生たちは一様に真面目で、一生懸命で、そして前向きだ。楽しみながら学んでいく先生と、自分のスキルの低さを嘆き、悔しい思いをしている先生と、様々だ。ICTに対して否定的な先生も多く、その多くは苦い経験や、不安感から使用を拒んできたのだ。


そんな先生たちは、研修でスキルが向上しても、なかなか普段使いにはならない。自信のなさから指導できない。と感じているからだ。小学校の先生たちは、習字道具や絵の具、裁縫道具などの使い方を1つずつ細かく指導し、もれなくほとんどの先生が使いこなせる。同じ感覚で使い方を1から丁寧に指導しなくては、と思っているところがある。


ICTに関しては、子どもたちのスキルや知識は、指導する以前に先生たちの上をいっているのが現実だ。研修の中で学ぶスキルは、むしろ先生自身の業務や、自分自身の生活を豊かにするために活用すればいい。知っているだけで使いたくなるし、教材作成は圧倒的に楽になる。そして業務の効率化も進む。そんなふうに割り切ってしまえば、研修の受講も自分のために気楽にできる。





逆に、今学ぶべきは、この変化の激しい世の中で教育をどう変えていけばいいか、子どもたちにどんな力をつけるため、どんな学びを提供できるか。そんな授業デザインを語り、構築できるのは先生しかいない。技術やスキルの疑問は、検索し尋ねることができるが、自分の学級や子どもたちの特性にあった授業デザインは、そこに関わる先生にしかできないのだ。


先生にしかできないことに気づき、これまでの授業のあり方を考えるきっかけや、楽しくICTを使うモチベーションをあげるための「研修」のあり方を考えることが必要だ。技術やスキルを上げるだけの研修ではなく、目的や手段を明確化し、子どもたちの未来のために、どんな授業をデザインしていくか、先生たちが前向きで、ワクワクするようなことを提案していきたい。



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