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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

わかりやすく伝える

今週も梅雨らしい天気が続き、九州では大雨による災害の心配が出てきている。今日も熊本や鹿児島はすごい雨で、被害もまた広がりそうだ。ここ最近は、夏の台風による被害、というよりは、この時期から始まる豪雨災害の方が増えている気がする。


子どもの頃は台風直撃が当たり前だったような気がするが、気候の変化によって変わってきているのかもしれない。密な状態を避ける中で、災害とどう対峙するのか、これからの季節の大きな課題になっていきそうだ。





今週は生まれて初めての大学での講義が始まったり、久しぶりの対面でのハンズオン研修があったりと、徐々に研修依頼が増えてきた。夏以降のスケジュールも日々埋まってきている。対策を施しながら手探りの状態だが、やるべきこと、必要なことは避けて通れない。今週のブログは「わかりやすく伝える」というタイトルにした。


教員という仕事に就き、授業を毎日行い、年間1000時間以上していると、伝わることも伝わらないことも山ほど経験する。感情で伝わることもあれば、技法やテクニックで伝わることもある。何も言わなくても伝わることもたくさんある。


県教委に入って、人前で話す機会が増え、何かを説明したり理解を求めたりすることが仕事の中心になっていった時、「わかりやすく伝える」ということはどういうことかを考えるようになった。2015年にシンガポールへAppleの研修で行った時に、Keynoteのデザインについてのお話を聞き、どっぷり洗練された濃密な時間に浸かったあと、日本に戻って自分のスライドを全て作り直した。





シンプルに、話しやすく、印象に残るデザインとはどんなものか、毎日考え、悩む日々が始まったのだ。私の場合は、自分の作るスライドと、目に残る印象、端的な言葉探し、言葉選びがその全てだ。


スライドを作るときは、シンプルに徹する。国から出された文字ばっかりの通知や、ごちゃごちゃした図版から、必要な部分、伝えたい部分を読み取り、最低限の聞く人たちにとって必要な情報を取り出す。そしてその情報に対して、色や形を使って、目に残る印象的なスライドを作り込んでいく。落とし込む言葉も単語レベルに減らし、文字数を減らすため、場合によっては言い換えたり、端的な言葉に置き換える。


話すためには、聞く相手にわかる言葉をじっくり考える。どんな立場の人たちで、教育やICTに対してどのくらい理解があり、分かってもらえるか、同じスライドを使っても全く違うことを喋ることも多くある。だから、初めて相手にする職種の方や、関わりのなかった人たちの前で話したり、スライドを準備するのはものすごくエネルギーを使う。そしていつまでも完成しない。





データとして渡したり、紙を残すこともあるので、アニメーションや効果すらも極力少なくし、後から資料を見た時に、自分の言葉がフッと思い出されるように心がける。淀みなく、迷いなく話すためのバックボーンの知識も大切だし、伝えてないけど準備していることもたくさんある。その知識が自信になり、伝わる要因になると思っている。


めざすところは、伝わったその先だ。伝わった中身はその人の知見になるだけではなく、最終的にその人の目の前にいる子どもたちへ伝え、何かを変えてほしいと願っている。子育てでも、授業でも、政策でも、指導でも、支援でもいい。自分は子どもたちの未来のために、多くの大人に伝えたいこと、伝えるべきことを、わかりやすく伝えられるようになりたい。



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