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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

イギリスBett2020へ

更新日:2020年1月30日

今週はイギリスに来ている。人生初のヨーロッパ進出だ。こちらはとても寒く、毎日厚い雲がかかり、どよーんとした空が広がっている。22日の早朝に大分を出て羽田空港へ、そしてそのまま12時間のフライトで現地入りした。長時間のフライトはキツかった...


今回は日本から私を入れて4人できた。一緒に旅する仲間と感じたことをシェアするのも大切なことだ。Bettとはヨーロッパで開催される、教育ICTの大きな展示会だ。日本で行われているEDIXなどの世界版、っといった感じだ。会場の広さも尋常ではなく、人の多さも、開催期間も長い。






ソフトウェアと、ハードウェア、そして国からのブースに大きく3つに分かれていた。ソフトウェアの傾向としては、授業支援システム、端末の管理ツール、成績等の処理システムがたくさんあり、その多くはグローバルなもの、いわゆるGoogleやOffice,Apple系端末のクラウドと連携しており、各社が競っているのは、そのUIや価格の部分であったように思う。正直たくさんありすぎて選ぶのも難しい印象だ。

映像配信系はそんなに多くなかったが、先生のための指導用のデジタルコンテンツ(映像・画像など)はわりと多かった。


ハードウェアの方はインタラクティブホワイトボード、いわゆる電子黒板はまだまだ多くの出品があった。プロジェクタよりも多い印象だ。あとは遠隔の授業システムZoomが教育用のブースを出していたり、充電保管庫、管理庫や持ち運びのアイテム、などもかなりの数出展があった。


プログラミング、ものづくりの教材もたくさんあった。しかしそれは“プログラミング教育”という括りではなく「STEAM教育」だった。一見マニアックにも見えるSTEAMのハードウェアは、子ども向けの簡単なものではなく、本物を感じさせるような、しっかりしたいいものを提供している。そこからデータを二次利用しやすいようにワイヤレス転送したり、今のデザインに合わせ、ポップになっているが本格仕様になっている。プログラミングも段階に合わせて複数の方法を選択できることは当たり前、といった感じだった。表現するための幅のある教材もたくさんあり、その子なりの表現をサポートするためのツールや、アウトプットの道具としてのテクノロジーもたくさんあった。





もう一つは、多くの中東やアジアの国々が、政府として、その国の文科省がブースを出していたことだ。そこにたくさんの自国スタートアップ企業を招き、紹介させていた。各国のカラーがよく出た展示ブースはその国の文化も感じることができる。加えて教育についての考え方や施策についても紹介されていた。日本も「未来の教室」として出してはいたがその規模はまだまだ及ばない。


何よりも印象的だったのは、子どもたちの姿があちこちに見られることだ。Bettには多くの子どもが学校から訪れている。先生に引率されているのだ。そして実際のテクノロジーをエンドユーザーである子どもたちが体験する。ある意味これは1番正しい姿だ。教育のためのテクノロジーは、使う子どもが体験し、良し悪しを見極める。中には家族で訪れている姿も見ることができた。日本ではこうはいかない・・教育の展示会はオトナのためのものになっていて、子どもからのフィードバックは得られないだろう。

そもそもの考え方が圧倒的に違っている。





全体を通してみると、日本のマーケットよりも成熟している。今後GIGAスクール構想が落ち着き、ハードやインフラが当たり前になったあと、求められていくのは今回見たようなものだろう。ただし、それはテクノロジーの話であって教育の話ではない。それに合わせて学校や授業のあり方、教育に対しての企業のアプローチの仕方など、同時進行でアップデートをかけていくべきことは山ほどある。世界の潮流をよく見ながら、日本の教育もしっかりアップデートしなければ、と感じた。この旅で感じたことはまだまだたくさんある。また次も書ければ、と思っている。

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