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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

インドネシアの旅日記②

Day3


今日は朝早くから待望の学校訪問がスタートした。早い朝食をとって7時半には出発した。前日も遅くまで語り、学びを深めていたので、体力的にはキツかったけど、それを上回る期待感や高揚感があって、さらには子どもたちにパワーをもらって復活するのは、先生の集団あるあるだ。


午前中に1校、午後にもう1校を見学させてもらった。はじめに訪問したSDHと呼ばれるその学校は、幼稚園から高校まで同じ敷地内の学校に通い、同じようなスペースを共有し、日常生活を送っている。異年齢の子どもたちが同じ敷地で、スペースを共有しながら学ぶ学校の作りは、理想的な状況だ、と感じた。




SDHはインドネシアの中ではとても大きな学校で、全部で50校以上系列の学校があり、その上には財団があり、大学がある。その大学に通いながら財団の掲げる教育についてしっかり学び、その後系列の学校で教師としてのキャリアをスタートするので、ビジョンや想いの共有の部分は、改めてする必要がない。いわゆる校内でのエコシステムが完結していた。


小学校の頃からPBLを年間何本も回し続け、さらにはそのトピックに対して、教科としての学びをどれだけコラボできるか、を真剣に検討し、そのテーマに対して教科での学びがどれだけ寄与できるか、ということに向き合ってカリキュラムを構築するのは、とても理想的で理にかなっているし、何より子どもたちの学びへの動機づけや、学ぶことの意味や意義を納得してもらえやすい。さらにはそのPBLの中での学びがリアルな社会へのアプローチになっていたり、困っている誰かの助けになることを、きちんと体感できるプログラムの組み方をしているのだ。自分が学ぶことが誰かの助けになる、こんな当たり前の前提条件をしっかり感じさせるような仕組みが確立していることは素晴らしいと思った。


学力に関しても、そこは追求すべき最上位目標ではなく、子ども達を成績によってランクづけすることも一切しない。しかし、バリバリに勉強したい子にはそういうプログラムも用意し、対応しているし、そうではない子のニーズにも当たり前に応えるための工夫がなされていた。皆が一律に学力向上をする必要もなく、子どもたち自身が求めるものに対してどう提供できるか、という勝負をしている。そこで何をして、どんな力を身につけてきたか、ということの方が重要視される。よくよく考えると当たり前のロジックなのに、その当たり前の考え方ができていない日本の現実もある。



午後からは打って変わって高校の専門学校に行った。ありえないくらいの大歓迎で迎えていただき、授業の様子を見せてもらったり、学校についても教えてもらった。実習をベースにしたPBL型の授業が展開されていて、どの子も生き生きと学ぶ姿が見れた。


学校のコンセプトは明確で、日系企業に就職するための技能や、ビジネスマナー、社会人としての教育を、日系企業(コマツ、トヨタ、デンソーなど)が必要としている要件に合わせてつけていく、ということなのだ。ゴールが決まってビジョンが明確なので、話はシンプルになる。そのための道筋という意味ではとてもわかりやすい。課題を解決したその先には次の階段があって、そこが見えているとモチベーションは上がるのだ。だから子どもたちは迷うことなく努力し、高いモチベーションを維持しながら頑張っているのだと思う、



総じてすごく良くできた学校の「仕組み」については理解できた。今の日本の教育のシステムで足りていないことも見えてきた。その中からできること、できなさそうなこと、すぐにチャレンジできそうなことをレイヤーとして整理し、今の自分の仕事にも反映させていきたい。


学びが多すぎて飽和状態だった今日の1日だったけど、夜何時間も仲間と一緒にその思いをシェアし、対話をし続けたことで少しだけ整理することができた。明日からはまた次の地「マラン」へと移動する。明日はどんな出会いが待っているか、また楽しみだ。

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