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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

クリエイターを育てたい

今週は真夏のような暑さが続いて、どこにいても汗をたくさんかく一週間だった。今週は平日ほとんど大分にいることはなく、東京、長野、埼玉とあちこちでお仕事をしてきた。いよいよ夏休みに入ったが、先生たちも近年は忙しく、なかなか休みが取れてないようだ。


オリンピックなどの関係で、今年はお盆の前後がしっかり休めそうなので、ぜひ先生たちも仕事を忘れてリフレッシュして欲しいな、と心から思う。私もその週だけは休もうと思う。






今週行った学校で、子どもたちのクリエイティブな姿を目の当たりにした。その学校は校舎の敷地の横に学校林を持っている。日本の学校林の歴史は古く、1800年代後半にまで戻る。元々は植林活動の拠点だったが、戦後などの時期には校内の修繕のための利用や、木材を出荷し、現金化するなどして、学校の財産、資産を生み出す役割もあった。近年はその管理の難しさや煩雑さから、手放すことも多く、全体としては減っている。


今回訪問した学校では、その学校林を「森の学校」として整備し、東屋やステージを設け、子どもたちはそれぞれに自分の樹を植林し、6年かけて観察している。その「森の学校」がカリキュラムの中心にあり、様々なアプローチで子どもたちの中にも日常化しているのだ。


その日は”サマーキャンプ”ということで、これまでの活動に加え、iPadのClipsという動画作成アプリでのアウトプットをめざしていた。それぞれ発達段階に合わせた活動テーマが決まっていて、6学年がそれぞれ森の中で別のテーマで探究活動を続ける。

私は森の学校のサマーキャンプのプログラムに、子どもたちの活動のファシリテータとして参加した。





1年生から6年生までが、午前中、本当に伸び伸びと自分たちの森の中で動き回り、テーマに沿って探究活動を行なっていた。その手には全員iPadがあり、自分たちのアウトプットのために動画や写真でどんどん記録をとっていく。実際目で見るだけの観察よりも、より細かく、深く学びとっている様子が見られた。


よくアナログとデジタル、という言い方をし、対立構造を作り出し反対している人は、なんでもデジタルで進めていくことに対して抵抗感を抱くことがある。しかし、今回見た子どもたちの姿からは、デジタルデバイスを使っているものの、デジタル、アナログ、などという単純な対立構造の議論ではなく、森の中で観察したものを記録するための最強の道具として普通に使いこなす子どもたちの姿があった。体験を充実させるためのデジタルデバイスだ。


午後からはその集めた素材を使って、動画作成をし、自分なりのアウトプットや表現活動に没頭した。1年生も、6年生も、発達段階やスキルレベルに合わせて動画を作成し、同じ活動をしていても個性ある作品ばかりだった。





表現方法やアウトプットの手段として、動画の作成は子どもたちにとってはとても身近だ。簡単にイメージを形にできるデバイスと、アウトプットに対するモチベーションがあればどんどん伸びていく。


その瞬間、全ての子どもたちがクリエイターで、お互いを尊重し、認め合うことができていた。テストの点数の良し悪し、という単一的な視点ではなく、それぞれの感じ方があり、互いの良さを認めあうことができる。


もちろんこの学校にはたまたま整備された学校林があり、カリキュラムの中心に据えた学校経営をしているからこその活動だが、それぞれの学校にあるリソース、特色を存分に発揮し、創造的な学びの場、その枠組みを作っていくことはできる。



紙でまとめても、紙芝居で表現してもいい、でも同じように動画で表現することや、スライドで作ることもできたらいい、そうやって多様な表現方法を自由に使いこなし、伝えることができるクリエイターを育てていきたい。そしてそれこそが情報活用能力なのではないか、と思う。



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