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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

コダワリを捨てる勇気

爽やかな秋晴れが続いているが、昼間はまだ30℃を超えて、とても暑い。昨日はクーラーを入れてしまうくらいの陽気だった。今年もあと3ヶ月、あっという間に駆け抜けていきそうだ。


運動会、体育大会もひと段落し、研究会のシーズンに入ってきた。仕事の依頼もどんどん増え、スケジュールも隙間を縫って埋まってきている。断らずに埋めてしまうのはいつもの悪い癖だけど、なんとか踏ん張って進めていきたい。





今週は「コダワリを捨てる勇気」というタイトルにした。今年度も半年が過ぎ、色々な変化が現場では起きている。コロナ対策や、夏休みを経て、各学校、自治体の差が少しずつ出始めている。支援する側も同じで、戸惑いながらも伴走し、サポートを続けている。


学校の先生という仕事は、本当に楽しいし、幸せだ。子どもたちの成長を一番そばで見守り、保護者と一緒に歩んでいく時間は尊い。自分もその魅力に取り憑かれ、仕事をやめた今でも現場に近いところで働く道を選んでいる。


22歳になって教師という仕事について、色々試行錯誤しながらも学級を経営し、一人前の役割を担い成長をしながら「教師」という仕事人になっていく。それぞれの年代で子どもや保護者との関わり方に変化があり、また指導の仕方も変わっていく。その中でそれぞれの先生に「コダワリ」が生まれてくる。その年の成功体験、会心の一撃みたいな授業の経験を経て、自分なりの指導方法ができてくる。


これまでの授業技術や、指導方法の研究を否定するつもりはないし、その積み上げてきたものの価値が、今の日本の教育の基盤を支えている。しかし、時代は絶えず変化を続けていて、そのスピードは今、かなり早い。そしてこれからの時代を担う子どもたちに対して、その時のベストを尽くすのが、教師という仕事の役割でもある。





学力観も大きく変化していることは間違いない。「入試が変わらないから」という言葉もだんだん苦しくなってきている。昔のように知識を問うだけの問題は圧倒的に減っているのが現実だ。記憶した知識、習得した基礎を組み合わせ、応用し、思考しながら回答を導く形に変わっている。


点数を取らせ、いい学校に進学させ、いい会社に入れば幸せになれる、というロジックはずいぶん昔に崩壊している。今の働き方や社会の変化に対応し、自分だけではなく、社会やみんなの幸せを願う大人を育てなければならない。


そのために必要なことは、今の子どもたちに求めている力なのかもしれない。


子供たちに育むべき資質・能力

一人一人の児童生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値の ある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、 豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが必要


よさや可能性を認識し、価値のある存在として尊重し・・となっている言葉をそのまま先生たちに当てはめ、子どもたちに対峙すればいいのではないか。先生自身が見本となり、生き方を示すこと、変化していくことが求められている。





必要なのは、これまでのような「いい指導者」の姿ではない。”わかる授業”を目指し、先生が演者のように子どもたちを言葉巧みに誘導し、同じ山の頂上を目指す、といういい授業の姿、先生像、”コダワリ”を捨て、子どもたちの幸せな未来を思い描き、自分たちが変わる必要がある。


学びを楽しむこと、学び続けること、そして遊び心を忘れない先生の姿が、子どもたちの学びを楽しいものにしていくはずだ。変わること、コダワリを捨てることは悪いことではない、という価値を子どもたちにも伝えたい。楽しく働く姿を見せていきたい。

まずは無理なく、ちょっとずつのチャレンジから始めてみませんか?私はそのための後方支援を、これからも全力で続けていきます。

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