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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

シンプルに考える

2月になりすっかり寒くなり、日が暮れるとさらに冷えこむ毎日だ。朝の散歩も辛い。今週は京都、東京、さらには地元での研修と休みなく働いた。大きなお仕事もあり、無事終えたことでホッとして週末を迎えられた。


年末から始まったGIGAスクール構想の中で仕事量は増え、日本全国の関係者は混乱し、右往左往している。私もその渦に巻き込まれながら、日々色々と考えることも多い。


今週のブログは「シンプルに考える」とした。こんな時だからこそシンプルに思考する必要がある。冷静に、シンプルに考えて答えを導き出したい。




まずもって今回の国の施策は、日本の教育現場でのいつまで経っても進まない情報化を一気に進めたいねらいがある。教育にお金をかけない日本では、いつまでもインフラの整備ですら進まない。その上、ICTはここ近年のスマホ文化のせいで悪いものとされ、未だに学校に着いたらスマホを没収する学校はたくさんあるし、学校でのスマホ持ち込みについて、有識者のみなさまによる議論も続いている。



PISAの調査でも世界の中で取り残されているのが現状だ。教育へのテクノロジーの利用については圧倒的に最下位を走っている。それもここ10年ずっと。スマホを扱う大人にもその学習利用の経験がなく、遊びや生活のための道具にしかなっていない。



つまり日本の中では、テクノロジーの学習への利活用のノウハウが不足しているのだ。さらには、目が悪くなる、姿勢が悪くなる、ゲームや関係のない遊びに使用してしまう恐れがある。などのネガキャンが溢れ、危険性を煽る情報モラル教育が横行していて、いよいよ歯止めをかけてしまう。




そもそも、今の教育はどこをめざしているのか?これからの未来を生きる子どもたち、私たちに必要なことは何か?ここをシンプルに考えていきたい。その上でどんな授業をするか、どんなことを学校という場で、共に学ぶのか。



私は最近「学ぶことの楽しさ」というキーワードを伝えるようにしている。これだけ変容し続ける世の中で、必要なことは学ぶことの楽しさを知ることなのではないか。大人になっても学ぶことの楽しさを知っていれば、好奇心は尽きることなく、新しいことをインプットし、その楽しさを伝えるために、アウトプットしたくなるはずだ。



そのための授業のデザインはどうあるべきか、子どもたちが学ぶ楽しさを味わうための仕掛けはどうすれば良いか?学校という場で集団でしかできないこと、みんながいるからできた学び、知る楽しさ、学ぶ楽しさを味わうことが大切だ。




そしてその議論は、大人の世界の議論ではなく、子どもたちを中心に据えるべきだ。キーボードの有無や、タイピングがどうこうは、子どもたちには関係ない。必要であれば自分たちで言ってくるはずだ。綺麗な画面とトラブルの少なさ、誰でもどこでも簡単に使え、カスタマイズできることが何より大切だ。

そもそも表現方法は文章だけではなく、多様であるべきだ。それが選べるのがデジタルの良さであり、それを認めることが多様性なのではないか。アナログでも文章でも、音楽でも映像でも、大切なのは伝えようとすること、伝わることだ。大人のものさしでしか評価できないから表現の幅が狭くなるのだ。


子どもたちがワクワクし、夢中になって仲間と取り組み、達成感を味わいながら成長していく場が必要だ。その経験値が高い子どもたちは、きっと学び続けられるだろうし、答えのない世の中でもたくましく生きられるはずだ。そんな教育のために、社会全体で子どもたちを育てられるように関わっていきたい。そして自分もワクワクしながら学び続けたい。




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