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ルールを作る

今日の大分はぼんやりとした曇り空、太陽が出てないこの季節は、少し肌寒い。新緑の色が綺麗で、野鳥たちもたくさん鳴く季節になった。ウグイスも多いこの辺りは、常に鳥の声が聞こえている。





学校も4月後半になって、少し落ち着いてきたのではないだろうか。4月の学校は怒涛のように時間が過ぎる。着任式、始業式、入学式、学級開き、遠足、授業参観、PTA総会、それが落ち着いた頃に家庭訪問が始まり、すぐにゴールデンウィーク、と息つく暇もない日々が続く、年間の行事計画や研修計画、社会見学のバスの予約や講演会の講師の確保など、地味な事務作業もとても多い。


それに加えて、端末の年次更新の作業も行なっているはずで、誰がどんな手順で、いつ行うかを模索しているのではないだろうか。この更新作業のフローは、まだ確立されてないので、戸惑いながら進めているはずだ。年度末に卒業生がどこまでしておくか、年度始めに誰がいつのタイミングで何をするか、しっかり記録を取りながら進めていきたい。


ここ最近、いわゆる情報モラルやデジタルシチズンシップに関する講演の依頼が続けて入ってきている。現場には今年度いくつかの学習者用のデジタル教科書が入ってきていて、ドリル系のアプリやサービスを今年度から導入している自治体も多い。家庭のネットワーク状況も改善していて、ルーターなどの措置も整い始めている。いよいよ持ち帰りが常態化してくるタイミングなのだ。


そうなってくると、家庭の戸惑いや不安も大きくなるし、子どもたちにもそういう教育をしなければ!という発想になる。なので講演会のオファーも増える。そしてもう一つは家庭での使用ルールをどうするか、という問題だ。持ち帰るにあたってどんなルールを設ければ良いのか、どこかにそんな見本や事例はないか、そういう問い合わせも多い。





ルールを作るとき、どんな風なプロセスを踏むとよいか、これは悩ましい問題である。GIGAの端末は子どもたちのためのものであり、ある程度自由に使うことができなければ、持ち帰っても使わないだろう。ブラウザのアプリを消して渡せば安全だ、ということではないし、そもそも根本的な解決にはならない。


数年前から学校のブラック校則を見直し、自分達でルールを決めていく「ルールメイキング」というプロジェクトが経産省の実証として進められている。子どもたちが、対話を通して納得解を得ながら新しいルールを作っていく、という手法だ。端末の使用ルールや持ち帰りの約束も、これに倣って、子どもたちと対話しながら作ってみてはどうだろうか。そしてそのルールには可変性を持たせ、子どもたちや社会の状況に合わせて変えていけるものにしておきたい。






学校が一方的に作るのではなく、委員会が決めて通知するのではなく、子どもたちや保護者を巻き込みながら、当事者としてどんな風に使っていきたいか、保護者も安心できるような着地点はないか、対話を通して、決めていくプロセスを学びに変える事はできないだろうか。


その中で、子どもたちは大人の不安な気持ちを知り、自分たちの使い方について考え、リテラシーを向上させていくのではないだろうか。押し付けられた理不尽なルールや、使えない仕様は子どもたちの意欲を削ぐだけでなく、抜け道を探し、もっと大人を困らせたくなるものだ。子どもたちを信じ、思いを大切にしながら、「ルールを作る」ということを前向きに進めてみてはどうだろうか。

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