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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

休校の中で

3月に入って、昼間あったかい日もあるが、朝方は霜が降り、空気は凛としていて冷たい。この1週間は予定されていた仕事が全てキャンセルになり、ずっと家にいた。とはいえミーティングはたくさん続き、夜9時からのものもいくつかあり、仕事と生活の区別がつけられない1週間だった。毎日料理を作り、子どもたちと遊び、たくさんの本が読めた。


事務仕事はたくさん捗り、年度末的なものや、webページの改修、いくつか運営している団体のページの作成など、逆に普段できない仕事は捗った。溜まっていた本も少しずつ読み始め、収束後に少しパワーアップしていられるように努めている。





さて、我が家の子どもたちも、この1週間家で過ごしていた。うちの子どもは、小6、中1、高1と3校種にまたがった今年の1年だった。休校が決まった先週末、家族会議をして、この1ヶ月をどう過ごすかを話し合った。


長い人生の中で、こんなにもたくさん時間が取れることはあまりない、行動が制限され、部活も塾も、社会体育もできないなんてことはない。この時間をどう過ごす?何に費やす?と話した。それぞれが1ヶ月でチャレンジしたいことを紙に書き出し、できる限りの環境を準備した。Edtech関連の情報は随時子どもたちにも共有し、知らせた。取り組むのも自由、環境も揃っている。


家にずっといることで、たくさん会話することもでき、何かに追われることのない生活は、子どもたちにとってもゆとりが生まれているように見えた。笑顔で話すことも増えたし、一緒にゲームしても楽しくできる。小さい時の子どもは無条件に可愛いけど、大きくなった距離感も結構いいな、と思える。





全国の教育ICTの実践者たち、教師仲間も試行錯誤の1週間だったに違いない。タイムラインに流れてくる情報は先進的で、Zoom配信と、授業支援アプリやシステムを使ってオンラインでの授業実践がどんどん誕生している。マスコミもGIGAスクール構想と合わせて、キャッチーな見出しをつけ、タブレットを使った遠隔授業、遠隔学習というフレーズで報道されている。Edtech関連企業のサービスも無料で使えるようになっていて、そこもクローズアップされている。


では、私の地域の学校はどうか?地方の普通の小学校、中学校、県立高校に通う子どもたちだ。先生たちは学級通信と問題集、プリントを持って、マスクをつけて家庭訪問している。おそらくこれが、全国ほとんどの学校の実態だろうと思う。遠隔配信の授業ができる自治体、1to1の端末と家庭内インフラがしっかりあって、セキュリティポリシーも対応できている、そして家庭との連携や理解があるなんていう公立の学校はまだほとんどないはずだ。





条件が揃わない学校で実現することは本当に難しい。この間たくさんの先生たちから、卒業式の遠隔配信の相談が寄せられている。子どもたちへの想いは同じだし、なんとかしてあげたい、という気持ちは痛いほど伝わってくる。テクノロジーがすぐそこにあり、子どもたちのために実現させたいのに、いろんな制約の中でできない。


今回のことで情報提供を続けることも大切だけど、大多数の地方でどんなことが起こっていて、どこに課題があったか、そんなことを整理して、次のフェーズに進めていきたいと思う。現場から、地方から見える景色をちゃんと伝えていきたい。


「子どもたちのために Technologyで人をつなぎ 日本の教育を変える」

1年前に立てた会社のこの理念を、もう一度思い直した。

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