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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

子どもたちの力

今日の大分はポカポカと晴れていて、とても心地よい。気温も程よく過ごしやすいいい季節になってきた。庭の芝も雨のたびに伸びてきて、田んぼの草刈りもあって、いよいよ草との今年の戦いが始まったな、という感じだ。田んぼの池の草刈りも無事終わり、これからは長い時間トラクターに乗って、田植えの準備だ。去年から始めた苗づくりのお手伝いも、大変ではあるが楽しみだ。


今週は大型連休もあって、仕事の方は少しゆっくりだった。連休明けからの5月は毎週県外出張が続くので、体調を整え、自分のクリエイティブな部分が発揮できるようにメンタルも整えていきたい。




連休の間に、ある高校の吹奏楽部の定期演奏会に出かけた。特に知り合いがいるわけではないけど、心を動かされた。生徒たちの演奏はとっても素晴らしく、基盤としてしっかりとした技術を持っているな、ということがよく分かった。そして演奏会という場における、エンタメの要素はどうあるべきか、熟考された内容だったと思う。


高校生の文化祭の出し物などにありがちな、当人たちが楽しむ、というようなものではなく、観ているひとたちの視点に立った演出や選曲だったのだ。それなのにしっかり自分達も、精一杯の演奏を届けられたことの喜びを感じていた。


3年生は入学時からコロナ禍にあって、部活の活動を中断させられた時期もあっただろうし、コミュニケーションを取ることも、演奏を合わせることも困難だっただろう。でもポジティブに乗り越え、立派に演奏会を開催していたのだ。顧問の先生の話も最後にあったが、徹底的にサポートし、子どもたちに寄り添いながら歩んできたことがよく分かった。


子どもたちは、私たちが思っている以上に柔軟で、たくましい。今置かれた環境や状況にうまく適用しながら、新しい世界を作っていけるのではないか。あらためてそんなことを考えてしまった。





連休の間に、内閣府のワーキンググループから出された資料を読んでいた。「Society 5.0の実現に向けた 教育・人材育成に関する政策パッケージ」というものだ。詳しい経緯は知らないけど、これから先の5年を見据え、世の中の変化やニーズに合わせて、どういう政策を打っていけばよいか、具体的な課題を見出しながら、政策、ロードマップまでを示したものだ。


冒頭の「政策パッケージの位置付け」という部分にこんな一説がある。


・子供の学ぶワクワク感、教科の学びが自分の設定した課題の解決に活き

 ているという実感、自分の学びを自分で調整する力をどう育むのか、 

 「好き」や「夢中」を手放さない学びをどう実現していくのかなど、

 子供たちからこれらの力を引き出すべく取り組む教師や学校現場を支え

 るための具体的なロードマップを引き、さらには、現在の新学習指導要

 領に対応するための教師の今の取組を、次の学習指導要領改訂や今後の

 学習環境の整備に確実につなげていくことが重要


・子供たちが自由に発想し、子供たちによる主体的な学びを支える主体を

 多様化し、学校だけでなく地域や保護者、企業、行政など 社会全体の理

 解と連携のもとに、社会全体で教育・人材育成政策を推進する見取り図

 を示していく


これまで様々な国から出される通知や答申を読んできたが、これに関しては、かなり子どもたちの視点で書かれていて、現在学校が抱えている課題についても現実を直視し、分析しているように感じた。ただ、相変わらず文字数は多すぎるし、図解は難解すぎてかなり読みにくい・・


デジタルを使うことの意味や可能性についても多く言及されていて、ただ毎日使えばよい、というものではなく、どうあるべきか、どう進めるべきかがよくわかる。そして私たちが持っている評価軸を変える必要があることも述べられていて、それには保護者を含む、社会全体の理解が不可欠だ、とも書かれている。


具体的には ”皆と同じことができることのみを評価” ”◯✖で大人が測りやすい評価” ”評定平均のように個人の興味関心に関わりなく教科を通じて平均値で評価” こういう評価軸を変えていくべきだ、と表記されている。







新しい授業にチャレンジすると「評価はどうするのか?」「テストの点は伸びるのか?」と必ず指摘されるが、その評価軸そのものに変化が起きようとしている。


だから今、全国で新しい授業を模索し、チャレンジを続けている、子どもの未来を憂うたくさんの先生たち、心折れそうになることもあるけど、きっとそのチャレンジが報われる日は来る。そう信じて一緒に頑張りたい。

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