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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

学校の存在

天気のいい日が続いている。天気がいい日の冬の空は、星がとっても綺麗で、田舎に住んでいるとびっくりするくらいの夜空の日が多い。今週は月も星も綺麗に見える日が多かった。寒いけど、うれしい夜のひとときだ。


今週は県内での出張、研修、そして大学での講義、関西方面への日帰りと、バタバタと1週間が終わってしまった。内容的にもハードなことが多く、プレッシャーや新規のスライド作成にも追われ、夜中まで仕事していることも多かった。週末はゆっくりしたい。





さて、今週のブログは「学校の存在」というタイトルにした。先週末ここ数ヶ月関わっているフューチャーCプロジェクトのキックオフイベントを開いた。先月オンライン文化祭を行ったメンバーだ。佐賀在住のメンバーとは実は初めて会ったのだが、笑顔の素敵な女の子たちだった。


関わっている子どもたちは、いわゆる「不登校」ではなく「学校に行かない選択をした子どもたち」だ。彼らは創作意欲、表現意欲にあふれ、コミュニケーション能力はとても高い。何かを作ったり、人前で表現したりすることが好きな子どもたちだ。


今回のイベントのMCを務めていた方も、不登校の時代を過ごした経験があって、今はシンガーソングライターをしている。明確な理由があって行かなくなった人もいれば、なんとなく行ってない、という人もいる。ただ、共通して言えることは、その現実を全く後悔していなくて、むしろとても生き生きしている、ということだ。





大きなイベントを行う、というプロジェクトの中で、たくさんの大人たちとコミュニケーションを取り、企画、運営、実施、片付け、お礼まで含めるとたくさんのプロセスがある。オンラインで情報収集したり、動画を作ったり、進行表を準備したり、テクノロジーの活用場面もかなりあった。そもそも打ち合わせも全てZoomやLINE、ファイルはドライブの共有だった。 オンラインの居場所も、子どもたちを中心に構築することができた。


私自身、教育現場で仕事をする人間として、「学校」という場に思い入れは強く、できればどんな子どもたちも、幸せで楽しく、ワクワクしながら通える場であってほしい、と願っている。しかし現実は、小・中学校における不登校児童生徒数は164,528人(前年度144,031人)もいるのだ。そしてこのコロナで、必ず次の統計では増えるだろう。16万人以上の子どもたちが、通えていない現実がそこにあるのだ。


しかし、大分のような田舎では、ほとんどの子どもたちの選択肢は、公立の学校に行くか、行かないか、という2択しかない。少しずつフリースクールなどの受け入れ先や、新しい形を模索しながら居場所を考える人も増えてはいるが、まだまだ現実的な選択肢には遠い。





テクノロジーが進み、端末が整備されても、何も変わらず、何も変えれず、これまでと同じことを続けていく、という選択をする未来なら、子どもたちは自分たちでテクノロジーを使って、新たな活躍の場を創出するかもしれない。


学びの場は学校だけではなく、いろんなとこに既にある。だからこそ、学校でしかできないこと、学校としてすべきことはなんなのか、もう一度問い直し、変えていく必要がある。


教科書をデジタル化し、ドリルをAI化したその先に、どんな未来を描き、どんな学びの場を学校として提供するか。「一人も取り残さない」というのであれば、16万人以上いる「学校に行かない選択をした子どもたち」を、どんな風に社会として支え、居場所を作り、活躍の場を創出するのか。学校に関わる人たちの問題ではなく、社会全体の問題として、子どもたちの未来を一緒に考え続けていきたい。

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