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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

対話から生まれること

今週はとっても暑い日が多かった。夏を感じさせるような気温で、半袖で過ごす時間も多くなってきた。田んぼの準備の少しずつ進み始め、今週から苗の仕込みが始まった。何千枚という育苗箱をみんなで作り、並べ、毎日何度も水やりをして田植えの時まで丁寧に育てていくのだ。お米を作るプロセスは本当にたくさんあり、その全部に関わっていることの喜びは変え難いものがある。


今月は年度始めの最初の研修だったり、これから始まるたくさんのプロジェクトのスタートが多い。年度始めのバタバタも少し落ち着き始め、いよいよじわっといろんなことが動き出す時期だ。今月の毎週出張もようやく半分、あと半月体調を万全にして臨みたい。





今週は特に、多くの人と対話をする時間がとても多かった。学校に行き先生と話したり、委員会に行き、いろんな職種の人たちと話したり、オンラインでもとにかく話をしまくった1週間だった。


オンラインが標準になってきたこの2年で、会って話すことの意味や価値が大きく変容してきている。限りなく会っているような感覚でオンラインでの対話はできるようになってきたし、何の抵抗感も無くなっているのは事実で、移動の時間や手間、コストを考えると十分オンラインでも事足りている。


でもそれでもなお、会って会話することの大切さはある。特に私は現場を離れて随分経つので、学校に出向いて、学校の空気感やガチャガチャした雰囲気、音などから感じ取ることのできる情報がたくさんある。突発的に発生する様々な事象、それに即対応する先生たちの大変さ、それを目の当たりにすることで、自分の中の現場感覚や肌感を保つことができている。


オンラインで話すことと、対面で話すことはそのテンポ感にも違いがある。さっとその場で提示できたり、一緒に悩む、という感覚を味わえるのも対面での対話ならではだろう。その場で話しているからこそ感じられる熱量や、目の前にいるから伝えられる内容や感情もある。





現場での悩みの質の変化も感じることができた。これまではとにかく入ってきた子どもたちの端末を、どうしていいかわからない、とにかく使わなければ、という感情が先に立っていて、焦って使う場面を無理やり設けながら、「使っている」という事実を作るための活用が多かった。


しかし、最近はアナログの代用に躍起になっていた頃とは圧倒的に変わってきた。使うことは日常化してきていて、ある程度自分のスタイルができてきて、子どもたちと双方向のやりとりが当たり前になってきた。そうなってくると、これでいいのか?という次のステージが見えつつある先生が増えてきた。





使うことが目的ではなく、その先にどんな未来を描いて、子どもたちの創造性をいかに伸ばしていけるか、体の一部のように使うためにはどんな工夫が必要か、文房具のように自分達の意思で選択したり、組み合わせて使ったりするにはどうすればいいか。そんなことに思いを馳せる先生たちが多くなってきている。


本来の目的である活用の姿に近づいている。でもまだ確からしい答えはどこにもなくて、だからこそ、それぞれの先生のスタイルで、それぞれのスタートラインから一歩を踏み出していくことが求められているのだと思う。チャレンジするからこそ次の景色が見えてくる。そんな先生たちに直にあって、しっかり伝えることができることの良さを感じることができた。


会って対話すること、オンラインでも事足りること、その見極めをしながら、使い分けて、ここ一番会った方がいい!と感じる場面ではむしろ積極的に会いにいくことを選択したい。

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