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  • 執筆者の写真Toshihiro Doi

授業を組み立てる順番

今週も朝晩は秋らしい気温だが、昼間は夏のようにけっこう暑い。今日から10月になるというのに30℃近い気温の日もある。来週は稲刈りなので、晴れが続いてしっかり乾いてほしいところだ。学校では秋に運動会のところは、9月は忙しかっただろう。学校に行くと、日に焼けたジャージ姿の先生たちの姿を目にする。制限がある中での大きな行事、子どもたちの成長につながる運動会になってほしい。


今週は京都への出張、あとは県内でオンラインの一週間だった。もう年内の予定がびっちり詰まってきた。あと3ヶ月で今年も終わり、いい締めくくりになるようにしっかり進めていきたい。





さて、運動会が終わると研究会シーズンが始まる。授業を公開する人などはこの時期から、構想を本格的に立て始め、指導計画などを練っていく。そんな中で、授業づくりの相談をオンラインで行うことも多い。


先生たちは教材のコピーや、事前の指導案を送ってきてそれをもとに相談を始める。大体はサラッとした授業になっていて、もちろんiPadの出番はきちんとあるものの、なんとなく先生の思いが見える指導案は少ない。


私が始めに聞くのは、まず子どもたちの様子だ。男女比などもそうだが、日頃の子どもたちの様子や特徴を聞き、子どもたちをイメージする。そして次には授業者の思いだ。この授業を通じてどんな力を身につけ、どのような学びの姿を見ることができれば授業として成功なのか。そのイメージをどこまで持てているかが重要なのだ。





目指したい子どもたちの姿をどうすれば実現できるか、この課題で子どもたちはモチベーションが上がり、学ぶ意欲が喚起されるか、到達点が低すぎないかチェックしていく。さらには社会との接点や、身近に感じられるものなのか、そういったことをつめて考えていく。



そして、よくある「これって紙と鉛筆でもできますよね?」という参観者の意見にならないように、iPadでなければできないような課題や、最終的なアウトプットの多様性などを考えていく。そうすると問いの質や活動に必然性が出てきて、当日の授業がイメージされていくのだ。


iPadを使って授業をアップデートする、というのはそんなに簡単ではないと感じている。これまで培ってきたさまざまな授業のノウハウや、多くの成功体験、私たちの抱く授業のイメージ。これまでの学びの姿とはまるっきり違うものになることもある。想像もできないような子どもたちの力を見せつけられて焦ることもある。


先生の統治下に置かれ、その創造性を思う存分発揮できなかった子が、iPadを持ち、自分の表現したいことをさまざまな形で表現できる場を与えられた時、一気に開花することがある。そのプロセスでは試行錯誤を繰り返し、日頃のちょっとした遊びの中で発見したことが役に立つことが多い。





使っていく中で、間違ったことをすることもあるだろう、でもそれも長期的にゆっくりみてあげて欲しい。子どもたちの興味関心があるものだからこそ、時に間違った使い方になるのだ。学校では間違えても大丈夫、という安心できる場を提供することも必要だ。いつ何時も子どもたちの端末の使用状況をモニタリングし、監視すること、機能を必要以上に制限することは現実的ではないし、長くは続かない。


「iPadを使って授業をしなければ!」と意気込み、難しいシステムを使ったり、使うことが目的化しないように、あらためて授業を組み立てていくための基本に立ち返り、子どもたちの姿や、先生の願い、表現や創造性に目を向け、子どもたちの目線で授業を組み立てていきたい。


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