先生の笑顔が、子どもの未来をつくる Education Bridge2026 Indonesia
- Toshihiro Doi
- 8月16日
- 読了時間: 4分
2023年から始まったEducation Bridgeのツアーも4年目を迎え、今回で4回目の海外視察となった。これまで訪れたのは
2023 インドネシア
2024 マレーシア
2025 フィリピン
そして今年は2回目のインドネシアだ。今回も何回かに分けて紹介していきたいと思う。
今回のメンバーは、これまでのコアメンバーに加え、公立学校の先生方にも参加していただくことができた。期間が長いため、これまでは私立学校の先生や学生の参加が中心だったが、今回は日程を調整して公立の先生や指導主事も参加してくださった。日本の公教育の現場にいる先生たちが、どのような視点でこの視察を捉えるのか、とても楽しみだ。
さて、1校目はインドネシア・チカランにある
SDH(Sekolah Dian Harapan Cikarang)だ。
Sekolah Dian Harapan Cikarang(SDH Cikarang)は、インドネシア・西ジャワ州ブカシ県のLippo Cikarang(リッポー チカラン)にある、幼稚園から高校までの一貫教育を行うキリスト教系私立学校である。
2002年に開校し、1995年に設立されたSDH Lippo Villageに続く2校目のSDHキャンパスとしてスタートした。開校当初は約350名の園児・児童・生徒で始まり、現在ではSDHネットワークを代表するキャンパスの一つへと成長している。
学校の教育理念は
True Knowledge(真の知識)
Faith in Christ(キリストへの信仰)
Godly Character(神を敬う人格)
の3つを柱とし、学力だけでなく人格形成やリーダーシップの育成を重視した全人的教育(Holistic Education)を実践している。
また、授業だけでなく
Student-Led Conference(児童生徒主体の学習発表)
科学研究
インターンシップ
Book Week(読書週間)
チャペル(礼拝)
フィールドトリップ
スポーツ大会
など、多様な体験活動を通して、生徒一人ひとりの成長を支える教育が行われている。
4年前に続いて、今回が2回目の訪問となった。なんとなく懐かしさを感じながら校内を歩く。
幼稚園から高校までが同じ敷地内にあり、校舎によって雰囲気は少しずつ異なる。しかし、どの校舎でも共通して感じたのは、子どもたちが本当に楽しそうに過ごし、笑顔で挨拶をしてくれることだった。「ようこそSDHへ」という気持ちが、その所作から伝わってくる。
施設面でも新しい設備が増えており、人工芝のサッカーコートやバンド演奏ができる音楽ルームなどを、先生方がとても嬉しそうに案内してくださった。本格的な機材が揃えられており、子どもたちは日常的にそれらに触れながら学ぶことができる環境になっている。
この日は、日本の中学生もホームステイをしながら授業に参加していた。私たちと一緒に訪れた子どもたちも授業に入れていただき、英語で授業を受ける貴重な体験をすることができた。
こうした体験は、子どもたちにとって英語を学ぶ大きなモチベーションになる。「もっと話したい」「もっと仲良くなりたい」という気持ちが、学びへの意欲につながっていくことを改めて感じた。
学校見学ツアーの後には、先生方とのディスカッションの時間も設けていただいた。先生方との対話の中では、探究的な学びについても多くの話を聞くことができた。この学校では、評価の方法も含めて探究に非常に力を入れている。
年度の初めには、それぞれが探究のテーマを決めるだけでなく、「自分はどのように成長したいのか」「どのような力を伸ばしたいのか」といった、自分自身の成長の目標も合わせて計画にまとめるという。
また、完全にゼロからテーマを決めるのではなく、学校がカリキュラムとして大きな枠組みを示し、その中で教科の学習と関連付けながら、一人ひとりが具体的な探究内容を考えていく仕組みになっている。
そして、この学び方を小学生の頃から積み重ねていくため、学年が上がるにつれて探究の質も深まっていく。日本で比較的よく見られる「教科の学習を積み重ね、その先に探究的な学びがある」という流れとは全く違う。そのことも、子どもたちの高い学習意欲につながっている。
今回、一番印象に残ったのは、子どもたちが本当に楽しそうに、いつも笑顔で過ごしている姿だった。
その理由を考えてみると、先生方の存在がとても大きいように感じた。若い女性の先生が多く、管理職も全員女性だったが、皆さんが本当に楽しそうに働いている。休み時間や放課後には子どもたちと自然に触れ合い、一緒になって笑い合い、廊下を歩いていても多くの子に声をかける。学校や子どもたちのことを語るときも、この学校が好きで、誇りを持ち、子どもたちの成長を心から願っていることが伝わってきた。
それは当たり前のことだけど、実はとても大切なことなのかもしれない。楽しそうに働くこと、ニコニコしていること、そのことが子どもたちにとっての希望になっているのではないだろうか。
SDHの正式名称はSekolah Dian Harapan。日本語にすると「希望の光の学校」である。その名前のとおり、そこで働く先生たち自身が、その「希望の光」を体現しているように感じた。
残念ながら今の日本の公教育の現場では、それができにくい状況にある。先生たちがニコニコ笑って働ける職場の状況ではない。学力の数値を上げることよりもまず、楽しそうに仕事すること、先生たちが笑顔で、誇りを持って働ける学校をつくることが、子どもたちにとっての希望につながるのではないだろうか。



素敵な記事ありがとうございます!
「先生の笑顔が、子どもの未来をつくる」という言葉に、とても共感しました。
子どもたちは、先生が何を教えているかだけではなく、先生がどんな表情で、どんな姿勢で学校にいるのかをよく見ているのだと思います。
先生方が子どもたちと一緒に笑い、楽しみ、学校に誇りを持って働く。その姿そのものが、子どもたちにとって「こんな大人になりたい」「未来って楽しそう」と思えるきっかけになるのかもしれません。
教育を変えるというと、カリキュラムや仕組みに目が向きがちですが、まずは先生が笑顔でいられる学校をつくること。
とても大切なことを改めて考えさせていただきました。
素敵な学びをありがとうございます!